新着情報:2008年05月

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2008年05月31日:来週の土曜日は休診です

こんにちは。早いもので来週は「新潟ツアー」の3回目です。今回は三条市にある榎本先生のクリニックでのライブオペの見学になります。予定としてはインプラントの抜歯即時埋入だそうです。どういうオペをされるのか楽しみです。

 全然歯の話ではないですが、ららぽーと、リニューアルしたので先日行ってみました。新たな店舗も多数入っており楽しいですね。雨なのに「クリスピー・クリーム・ドーナツ」は傘をさしてたくさんの人が並んでいてびっくりしました。
ランチも「クア・アイナ」で食べましたがココのは男でも一個あれば満足ですね、大きいですから。

 さて、来週は自分の母親のインプラントのオペがあります。身内はちょっとやりにくいですね。左上4567欠損に対して3本埋入する予定ですが、内2本はソケットリフトです。


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2008年05月30日:昨日のJIADSは『水』

こんにちは。昨日は休診でしたがJIADSの文献勉強会でした。昨日のテーマはいつもと違いました。いつもなら歯周病について書いてある著名な歯周病専門医の論文(Myron Nevins, P.D.Miller, Schalllhorn,
Kramer各先生の論文など)をJIADSの先生が製作した和訳を横に並べて、何を言っているのか(書いているのか)、信頼性はあるのか、我々臨床家の現実に則しているのか、論文特有の「マジック」はないのか、を考えていくのです。
 普通は大学に残った経験のある先生は論文の読み方などは習うことが多いようですが、僕のように大学を卒業して開業医の先生のところでお世話になった者は、論文しかも英文の論文を手に取ったのはこの会が初めてでした。初めて見たのは2年くらい前になるのでしょうか。
 昨日の内容はというと、JIADS講師である殿塚先生の患者さまで「株式会社 環境向学」の社長様がおもしろい研究をされているとのことで講演がありました。共同研究されている「セパレーターシステム株式会社」もお話しされました。水に関するものですが非常に興味深かったです。

 厚生労働省が出している51項目の水質基準になんと「ダイオキシン」が含まれておらず、「ウィルス」全般も含まれていないんです。知ってました?ってことはですよ、水道水にウィルスが含まれていてもしょうがないね、国は暗にそう言ってるのでしょうかね?また、これは国内で流通するペットボトルの水についても同じ基準で監督されますから、ウィルスについては・・・、入っていないことを祈りたいです。
 そんな、水についての安全だとの過信、勘違いについてお話され、本題の「バイオイオナース」についての説明を受けました。ネットで検索されるとお分かりかと思いますが、現在はその強い殺菌性、消臭性、耐性菌を作らない、などの特長から動物の傷の殺菌、檻の中の消臭、などにはすでに使われています。その高い安全性から口腔内での応用が可能なように製品の改良をしたものを昨日実際に私、舐めてきました。すっぱいジェル、そんな印象でしたが、30秒で歯周病菌はもちろん、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌。院内感染で有名ですね)やO-157、レジオネラ、緑膿菌、VREすべてに有効で殺菌するようです。我々が使う器具に使用しても「鉄を用いての接触試験」でも錆(サビ)は確認されなかったので、我々が多用するSUS304では錆はおこらないですね(錆を気にするのは医療従事者だけですね)。
 あと、注目すべきはタンパク質に接触して殺菌効果が落ちない点です。これが歯科臨床に応用されれば歯周病の治療が大幅に変わり、抗生剤の使用頻度がグンと下がるでしょう。

 これまでレッドコンプレックスという細菌の感染がある重度の歯周病では抗生剤の投与で対応していました。しかし、細菌の世代交代は4分ですよ、4分!!!人間の世代交代はおよそ30年じゃないですか。それを考えたら、抗生剤で戦うって言ってもどんどん進化していく相手にいつまでも木の棒で立ち向かっていっても、相手はマシンガンを持ってくるわけですし勝ち目はないね・・・。こういう方法があったのかと昨日はある意味興奮を覚えました。


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2008年05月29日:フェルールって?

こんにちは。ちょっと前の僕の誕生日におがわ歯科医院のスタッフがくれたプレゼントなんですが、『井田萬力屋のじいさんのおきみやげ』という焼酎をもらいました。壺に入っていて柄杓(ひしゃく)まで付いてる凝ったお酒で、味わい深くおいしく飲んでいました。量がけっこうあり飲みきるまでに時間がかかりましたが、先日やっと飲み干しました。来年またこれでお願いね、スタッフゥ~。

 虫歯がどこから始まるか、もちろんそれぞれなのですが歯と歯の間から始まったものをイメージしてみてください。歯の噛む面から始まった虫歯よりも歯肉までの距離が近いですよね。ということは、虫歯が進行したらより早く、歯肉方向へ進みダメージが大きくなります。歯肉の下にまで虫歯が進行すると、程度によりますがそのまま正しい充填処置(詰めて治すこと)ができなくなります。これはなぜかというと、歯と歯肉の間を「歯肉溝」といいますがそこから絶えず「歯肉溝浸出液」が出ていますので、防湿(湿気を排除すること)ができなくなるからです。ほんのチョットだけ下まで進んでいるだけであれば、「圧排糸」というものを利用して対応可能です。では大きく進んでしまったらどうすればいいのか?
 もし、それを無視して修復を行なうと何が起こるか考えてみましょう。元々ある生体の構造を無視した修復物を、体は受け入れ難い異物が歯肉のそばにあると判断します。そうすると免疫反応が起こり絶えず炎症がある歯肉になりますので、赤みが消えない、血が出やすい、なんとなく痛い・・・などの不快症状が残ります。これはその異物を撤去しないかぎり続きます。この理由がはっきりしなかった昔であれば許されたのでしょうが、今はこのように原因もはっきりわかっています。そうしないためには、①歯肉の下まで進んだ虫歯を歯肉の上にまで「部分矯正」の力を借りて移動します。②歯肉の位置の調整をする。これで解決はできます。ケースによりますがこの①、②のどいらかもしくは両方を選択して対応します。実際の症例を見てみましょう。まずは治療前のレントゲン写真です。before%20x-ray.JPG
虫歯の部分をすべて削ると歯肉やその下の骨の部分に接近することがわかりますでしょうか?前述したように部分矯正にて対応し歯を挺出(エクストルージョン)します。
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このような装置を使って移動しますが、抜く方向なので移動はおよそ1~2か月あれば完了します。移動が終わった様子です。
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歯の移動と伴に周囲の歯肉と骨に変化があるので、周囲組織の調整を行なった様子です。
after%20crown%20lengthning.JPG
歯肉の調整を行なった場合「クリーピング」という歯肉の変化が起こるので、理想的には4ヶ月くらい待ってから、最終的な被せ物を作るべきです。こうして歯肉より上に健康な歯質が360度確保されました。これを「フェルール」といいます。
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これは最終的な歯が入った様子です。こう治っていれば予知性の高い状態と言えるのではないでしょうか。正しい治療の理解を深めるための参考にしてください。


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2008年05月28日:ファイバー・コア

こんにちは。今日のテーマの「ファイバー・コア」のお話をする前に、「コア」について説明します。コアが必要になるのは神経を取った歯(失活歯)であり、その歯の歯冠修復をする時に強度の確保や形態の回復を目的として行ないます。従来は何かしら金属を用いたり、コア自体が金属だったりという事が多かったと思います。現在でも保険治療で認められているコアは金属を含みます。
歯というのは神経を取った時点で血液の供給がなくなり、酸素が来なくなりますからもろくなってしまいます。そこに歯よりも硬い金属のコアが入ったらどうなるでしょう?噛む時の力は自分の体重以上がかかることがあり、歯にヒビを入れてしまったり、割ってしまうというトラブルが起きる可能性があります。
 これは神経を取った歯の宿命であり、やむを得ない部分はあります。しかしこのリスクを最小限にしてあげることは、少しでも長持ちさせたいと考えるなら大きなメリットと考えます。そこで硬さの近い「グラスファイバー」と「コンポジット・レジン」を用いた「ファイバー・コア」が登場したわけです。このメリットは堅さが近いだけではありません。メタルコアを歯に着けることを合着といいますが、歯と金属の間には必ず「接着剤」の層が存在します。長い間口腔内に存在すると「ウォッシュ・アウト」と呼ばれる接着剤の溶出が起きます。もちろん使う材料によっては程度の差はあるでしょうけど、徐々に唾液に溶かされてしまう宿命なんです。ただしそのタイミングはいろいろで、接着剤の寿命の前に人の寿命となって、問題が不顕在化してしまう、つまり問題とならない場合だってかなりの数あるとは思いますが。
 話が逸れました、ファイバーコアはウォッシュ・アウトがある合着ではなく歯質との「接着」により歯と着きますので、隙間ができたりその隙間から虫歯に二次的になってしまう可能性がかなり低いです。この「ファイバー・コア」を口腔内で作る直接法で行なった場合、余計な歯の切削が必要なく残った歯質を最大限保存できます。金属のコアだと型取りが必要で、ということは外開きに削る必要がありますが、型取りがいらないこの方法は悪い個所だけ削れば済むので割れやすい失活歯には有利と言えます。

これはメタルコアの図と写真です。%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%A2%EF%BC%91.JPG

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こちらは「ファイバーコア」です。fibrekor2.jpg
結局被せてしまうので見た目はそんなに影響はないです。「オール・セラミックス」を用いての修復をされる場合は、絶対ファイバーコアにしておかないと、金属色が透けてしまいます。注意しましょう。


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2008年05月27日:ソケットリフトの予後

こんばんは。今日は午後が「CTGを併用した根面被覆」というオペを行ない、夜はたった今「インプラントの2次オペ」がおわったところです。週の始まりから濃い内容ですが、この後は(今夜の8:00です)矯正後の「リテーナー」を紛失した方の作り直しの型取りだけですので、今日も無事終わったような感じです。

 さて、先日いらっしゃった患者さまですが、インプラントを設置して最終的な歯が入って1年3か月経過し、他部位がおかしいのでとのことでした。ご本人にもお話しさせていただきましたが、インプラントは痛みを出す事はなく悪化することがあるので3~4ヶ月に一度はチェックさせてほしいこと、これは皆様に守ってほしいインプラントを良い状態で維持するルールです。アッと思われた方、今からでもいいですからチェックお願いしますね。

 ではインプラント設置後のレントゲンです。
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ネジのようなものがインプラントのフィクスチャーという部分です。そのネジの先端に白いモヤモヤが確認できると思いますが、これが「ソケット・リフト」というオペをした場合に使う「骨補填材」です。骨補填材については以前、ブログ上で「最新のマテリアル」として取り上げたことがあったと思いますので、そちらを御参照ください。

 次に最終的な歯を入れてから、1年3ヶ月後の口腔内写真です。ちなみに下から見たところです。
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Uの字型に並んでいる左側の後ろから3番目の歯です。

そしてレントゲン写真です。
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周囲の骨も変化がなく非常に良い状態が維持されています。「ソケット・リフト」はリスクのある術式ですが、予後は非常に良い方法であり『骨がないからインプラントは無理』と言われた方がいらっしゃれば、ぜひご相談ください。


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2008年05月26日:合格しました(ちょっと前に)

こんにちは。当院の「歯科衛生士」の小出君が「日本成人矯正歯科学会」認定の「歯並びコーディネーター」試験に合格しました!
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 よくがんばりました、おめでとう。なんでも気軽に相談してみてください。頼りにされると彼女もよろこんで色々教えてくれますよ。もちろん、成人矯正の話だけじゃなく、乳歯の段階からの歯並びについて詳しいですから、お子さんの歯並びが気になるというお母様も、相談してみてくださいね。

 土曜日の「YSG」というスタディ・グループは歯科補綴専門医として活躍される宮崎先生の発表でした。彼は学会等での発表も多数しており人前で話すことに慣れています。話しもわかりやすく、写真も見やすく
とても良いプレゼンだったと思います。次回自分がやりにくいなあと思ってしまうくらいに・・・。テーマは「いかに元あった健康な口腔内に近づけるか」で、「正常な状態をきちんと理解していなければ、異常がわからない」ということや、「インプラントは歯がない状態を解決する1方法に過ぎない」ということをおっしゃっていました。
 インプラントありき、という診断に傾きすぎていないか、安易にインプラントに頼って歯を抜いていないか、ただし手遅れになってインプラントができず患者さまのメリットを逆に奪ってないか、非常に難しい問題ですが一番は「患者さまの求めるものは何か」を我々が正しく理解し、患者さまと僕らが一緒に治療目標を決められれば良いと考えています。


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2008年05月24日:目黒のYSG

こんにちは。今日は毎月最終土曜日(今回はわけあって違いますが)に目黒で行なわれる『YSG』というスタディ・グループの日です。ちょっと遠いですが仕事が終わったら目黒まで行ってきます(毎月行ってるんですよ)。このグループには私自身は2年くらい前から主催の山口先生の好意により、参加させていただいて一緒に勉強させてもらっています。

 今メンバーとして15名くらいの歯科医師と技工士が参加しており、「インプラント治療」、「審美歯科治療」、「咬合」を中心に勉強しています。今回のテーマは「新潟再生歯学研究会榎本先生の仕事(仮)」と題してメンバーの宮崎先生が報告します。

それでは、ちょっと早じまいして行ってまいります。


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2008年05月23日:永久歯列期での矯正(10代)

こんにちは。ここ何日か長ったらしい文章ばかりできっと読まれてないんだろうなあ、と心配になったので今日は見やすく写真をたくさん使って矯正の術前・術後の比較をしていきましょう。
 まず術前の写真です。
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次は下から見たところです。
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この子は15歳の女の子です。この状態は『開咬』といって前歯が噛んでいません。それと左右が非対称で最後の段階で上下の真ん中が合わない可能性がありました。なかなか難しい症例ではないでしょうか。

 治療開始後6ヶ月後の状態です。若い子は動きが早いです。
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 さらに4ヶ月経過した状態です。
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 そして治療が終了した状態です。やはり色々な苦労がありましたが、正中(上下の真ん中)は合いませんでした。
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 咬合面から見たところです。
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 治療期間は1年半かかりました。開咬の矯正治療後は再発しやすいですので、マメにチェックが必要です。Fさん、長い間不快な装置をガマンしてくれて、大変だったと思いますが治って良かったですね。


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2008年05月23日:永久歯が並びきるのは②

こんにちは。木曜日の「お稽古」もコーチが厳しくて辛かったのですが、今日になっていい張りが出てきた感じがあります。猛者に太刀打ちできるようパワーアップしないといけないです。

 さて、昨日の続きで『側方歯群交換期』からお話を進めます。だいたい7~8歳までに上下の前歯4本と奥歯のいわゆる「6歳臼歯」が萌出します。その後はその状態が何年か維持され、歯の交換が一時的にストップします。横顔のレントゲンでの審査を行って「上顎と下顎のサイズの不調和」や「上顎と下顎の位置関係のズレ」があった場合は、この時期から上下間の位置の正常化を図ることが多いです。もちろん個々で対応は違いますので、絶対ここで何かする、というわけではありませんよ。
 10~12歳くらいで横のCDEという歯番の歯が抜けて永久歯に順々に代わっていきます。CDE3本の歯の幅とそれに代わる345の幅の合計を比較すると、永久歯のそれの方が実は小さい事がわかります。ということは多少の叢生(乱杭歯、重なった歯並び)はここで解消されることもあります。
 およそ永久歯が生えそろってくる12歳ころを『ヤング・アダルト』といい、横顔の「セファロ」という規格レントゲンを撮って分析します。この段階で例えば上顎が前方に位置していてる子では、小臼歯(前から4番目と5番目)を1本抜歯する事を考えます。横顔の「美しい」とされる基準は『鼻の頭と下顎の先端』を結んだライン(E-ライン)に上下の唇がどう位置するかで決定されます。上下とも大幅に前方に位置すれば「上下顎前突」と判断させてもらい、キレイに治すならば抜歯をお勧めします。どうしても抜歯はしたくないという場合は、口元が出ている感じが残りますがよろしいですか?と、お話しさせていただいた上でプランを建てていきます。まずは「非抜歯矯正」で進めてみて、ある程度並んだ時点で「再評価」をして、抜歯すべきとご本人や、ご両親が判断されればプランの変更をし「抜歯矯正」にすることももちろんできます。
 先日、患者さまから「息子が12歳になったら、周りの友達に矯正をする子が急に増えたんです」という話を聞きました。一般にブラケット(歯に着ける装置)とワイヤーを使っての矯正はこのタイミングで始めることが多いですので、こうしたことが原因としてあるのかもしれませんね。

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この子は「混合歯列期」に『咬合誘導』だけを行ないました。いわゆる矯正(ワイヤーを使う矯正)はしていません。下顎が小さく前方に誘導い終わったところです。細かい事を取り上げると小臼歯部分の噛み合いが甘かったりするのですが、正しい上下の顎の位置関係を作ってあれば、細かい歯のズレの移動は簡単です。


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2008年05月21日:永久歯が並びきるのは①

こんにちは。昨日は仕事のあとの「お稽古」がちょっと厳しくて、階段を落ちそうになったり、椅子に座るのも落っこちる感じだったりと、ちょっとしたダメージがあります。適度な体の「張り」がないと、体内に毒が溜まっているような感覚になり、気分が良くないのですが、今日の体の疲れは「お腹いっぱい」というくらいです。仲間のみんなに感謝です。

 子供の歯だけの歯並びの時期を「乳歯列期」と呼びますが、平均(日本人は平均が好きなので)すると6歳くらいまでそれが維持されます。隙間のない子、隙間がある子、早く乳歯が抜ける子、なかなか乳歯が抜けなくて我々が抜歯する子、いろいろですが少しくらいの隙間があり子が理想的ではあります。そういう子は生え換わりにも大きな時期のずれはなく、適正なタイミングで乳歯は抜けていきます。乳歯の下には永久歯の卵が埋まっていますが、乳歯列期に隙間がないお子さんの場合永久歯の卵同士も接近しているので、「俺が先!私が先よ!」と顎の骨の中で戦いが起こっているのです。だからどうしても出てくるのが遅くなるのです。隙間をあえて作るなんてことはしませんが、隙間がない場合は顎の成長が遅れるであろうことがあらかじめ予想できるわけですから、顎の成長を後押しするような装置(側方拡大装置など)で補助してあげたり、経過をフォローすべきと思います。
 この時期に過度の歯ぎしりが起こると何が起こるでしょうか?歯並びを上から見るとUの字型をしていますが、これが縮小することが考えられます。というのは、歯ぎしりによって歯はだんだん擦り減りますが、一般的に歯は根に向かって細くなりますよね。隣の歯と接触していた部分を過ぎて擦り減ったら、歯の断面は小さくなり歯と歯の間に隙間が開くことがわかると思います。そのような歯ぎしりなどの「パラファンクション」という機能異常がある場合、噛む力が強い事が多いですから歯がより緊密に噛もうとして、『手前に倒れながら隙間を補正』しようとするのです。そうするとUの字型のサイズは縮小しますから、永久歯の出るタイミングが遅れてしまいます。
 できることなら、歯の擦り減りは大人だけではなくお子さんも防ぐことが必要と思われるケースもあるのです。ちょっとした擦り減りはあっても不思議ではありません。
 例えば、お兄ちゃん(お姉ちゃんでもいいです)の場合、下の子ができたら100%独り占めしていた両親の関心が半分くらいになってしまい、やきもち焼いたり、下の子に意地悪したり、何かと親の関心を引こうとしますよね。そのストレスがその子にとって大きかったり(脳が感じる部分ですので、個人差があいます)すれば、ストレス発散行動の一つとしての歯ぎしりや食いしばりなどが出ます。ただ、このような場合では徐々に環境に慣れてストレスと感じなくなることがあり、自然に歯ぎしりも納まり、歯の擦り減りはストップします。これは手を出さなくていいケースだと思います。
 僕らがクリニックで見るだけではわからないことも多いですが、何が原因かわからないけれども歯ぎしりが収まらないお子さんもいます。場合によっては歯の中にある『神経の部屋』が透けて見えることもありま
す。そのような場合はこれ以上の擦り減りを防ぐ必要があるようです。

 次に来るのが『側方歯群交換期』ですが、文字ばかりでちょっと長くなりましたので、続きはまた明日にしましょうか。 


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2008年05月21日:歯間乳頭の再建(多数歯の場合)

こんにちは。一昨日お話した「歯間乳頭」の再建についての、多数歯の場合をまた後日、ということでしたので本日のテーマといたします。 インプラント周囲の歯肉は隣に歯があれば「押せば上がります」が、頬側や舌側のようになにもない方向へ「押せば下がります」。ここまでは一昨日の話で説明したと思います。一昨日の写真を参照してください。
 しかし、多数の歯がない場合は隣に歯がないことが多いですから、「押せない」ですよね?では症例を見て行きましょう。この患者さまの場合上に残っている歯は3本だけです。残りの場所はすべてインプラントによって回復したのですが、インプラント上に設置する「プロビジョナル・レストレーショ(仮歯のことです)」はスクリューにて固定していますが、そのプロビジョナル・レストレーションを歯肉に向かって押すことで「歯間乳頭の再建」が可能です。
PICT0780.JPG

 下から見た状態です。歯が3本しか残ってないですね。インプラント周囲の歯肉にくぼみがあることがわかりますか?
PICT0781.JPG

 これは矯正が終わる直前ころでしょうか。歯の移動に要した時間は3か月です。
PICT1040.JPG

 矯正が終わり下の装置をはずしたころです。このころはもうy歯肉の形態も整っていますね。
PICT1103.JPG

 下から見た様子です。
PICT1107.JPG

 この患者さまは非常に熱心でいらして、他部位についても歯周病で歯を失うのはもうたくさん、とのことから歯周病の完治を目指したオペをさせていただいて、歯周ポケットの再発はありません。メインテナンスするこちらとしても、楽させていただいております。Aさん、いつもありがとうございます。


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2008年05月20日:1回法のインプラントのオペ

こんにちは。今日は予定を変更して今行なったインプラントオペの話を書きたいと思います。この患者さまは下顎管という神経や血管がある場所までの距離が少なく、オペの安全性を考え設置するインプラントのサイズを決めるためにCTを撮影させていただきました(それについては先日ブログに書きましたので割愛させていただきます)。
術前のCT画像です。
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 この画像では下顎管まで11ミリ弱であったため、2ミリの安全域を設けると8ミリのインプラントの設置が可能(というかそれしかできない)と考えられました。また、オペの1回法と2回法の違いやそれぞれのメリットとデメリットを説明させていただき、1回法を選択させていただきました。

 術前の状態ですが骨の幅は充分あるように思われます。ちなみに左下の奥の治療をしている様子です。
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 埋入が終わりTGカフを設置して縫合が終わった様子です。頬側に必要な角化歯肉を増やすために、歯槽頂(歯肉の土手の一番高いところ)付近から角化歯肉をスライドして頬側に移動もしています。
%E8%A1%93%E5%BE%8C.JPG

 術後のレントゲン写真です。TGカフに浮きもない状態で問題ないです。
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あとは所定の期間待っていただいてから、上部構造の製作に入ります。グッジョブでした。


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2008年05月19日:歯間乳頭の再建

こんにちは。新潟から戻り、ブログの更新をして昨晩はすぐ寝てしまいました。一緒に受講した友人からメールが届き、全員で撮った写真も添付されておりそれも昨日のブログに追加してありますので、暇人の方は見てやってください。僕だけがむくんでいるのはなぜでしょうか(笑)?今日は普通サイズの顔ですよ。

 タイトルの歯間乳頭ですが、これは歯と歯の間にある歯肉のことで、健全に近いかたは三角形の部分がありますでしょう?その部分を「歯間乳頭」と呼ぶんですね。これは歯周病などになると下がってしまい、向こう側が見えるような状態になることもあります。一度下がってしまうと元に戻すことは容易ではありません。
 インプラントを入れるという事は、なんらかの侵襲が歯のない部分の歯肉、骨に加わっているわけです。それはすでに「健全」ではなくなっていることが多いです。そこに人工物、言わば「作り物」インプラントを骨の中に設置し、「作り物」のアバットメント(被せ物を入れる前の土台)を着けて、「作り物」の仕上げの歯を入れるわけです。そこに勝手に歯肉はできません。インプラントの場合は歯肉もまた「作り物」なんです。と言う事は正しい手順を踏んであげさえすれば「作り物」なんですから、歯肉や歯間乳頭はできるんです。

 インプラントを埋入したらしばらく待って二次オペをする事が多いですが(しない1回法というやりかたもありますが、これは歯肉が理想的にあればいいと思いますが歯肉の形態をキレイに作るには不利だと考えます)、この時に周囲の歯肉から「結合組織」を採取してきてインプラント周囲に設置します。そうすることで健康な厚みのある歯肉が確保されます。そうすれば適度なテンションをインプラントから立ち上がる歯肉に加えてあげることで、「歯間乳頭」は再現できます。
 ただし、オペ部位が増えること、場合によってはオペの回数が増えることがありますので、患者さまのご希望を伺って、もし「本来あるべき形態にまで改善させたいという気持ちがある方」や、「前歯部の修復が必要で笑うと歯肉の部分まで見えてしまう方」など、そういった場合はすべき処置であると考えます。

 また、難易度も両隣が天然の歯であれば簡単です。しかし二本並んでインプラントを設置してその間に「歯間乳頭」を作るとなると、インプラントのポジションから綿密に計画しておかないと厳しいですから、難易度は数段アップします。

これは比較的イージーなケースでシングルの埋入の場合です。
PICT1283.JPG
噛む面(咬合面)から見た様子ですが、適度に内側にインプラントの設置をする事が大事です。場所を失敗したらフォローはかなり難しくなります。PICT1286.JPG
こんな様子です。これに仕上げの歯を入れたら
PICT0905.JPG
こうです。次回は多数歯欠損での「歯間乳頭」についてお話したいと思います。


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2008年05月18日:行ってきました!

こんばんは。昨日の5月17日はお休みをいただきましてありがとうございました。おかげさまで無事研修を終えて帰ってまいりました。初めて行った燕三条ですが予想外に暑かったです。夏物の背抜きのスーツでしたがかなり厳しかったです。
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これは今日の研修後に会場であった越前屋ホテルの前での写真です。前の晩は補綴の専門医と麻酔の専門医とインプラントについて「それはそうじゃねーだろ」、「いや、そのケースの咬合は・・・」「・・・2次オペで丈夫な歯肉を作るには・・・」など歯の話ばかりで夜中の2:30までは記憶にありますが、延々話が終わらず僕はどうやら先に「落ちていた」ようです。なのでやばいくらい顔がむくんで、いつもよりも顔が大きいです(笑)。
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ね?%E8%B6%8A%E5%89%8D%E5%B1%8B%E5%89%8D%E9%9B%86%E5%90%88.JPG
これは参加した仲間です。

帰りには会津若松の友人が燕三条駅まで送ってくれたのですが、その車内から信濃川を写してみました。
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向こう側が新潟市内の方です。三条市内を流れる信濃川はそんなに太くないのですね。

これは新幹線から撮った「浦佐」のあたりだったかな。%E3%81%A9%E3%81%93%E3%81%A0%E3%82%8D%E3%81%86.JPG
きれいな景色でした。車内でもまた「インプラント」の術式についての討論をしていましたが、あっと言う間に東京でした。
 それで地元の京成千葉駅で偶然おがわ歯科医院の衛生士の小出君に会いました。彼女はブラスバンドをやっているのですが、休みなのに練習があったようでその帰りだったようです。趣味に本気になるのはこれまたいいことですね。感心。顔がむくんでいる理由を話し、やっぱり飲みましたかそんなに、みたいに妙に納得して大森台で降りて行きました。また明日から仕事がんばろうねー、小出君。
今日は疲れたので「ムツカシー」話はナシで。おやすみなさい。


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2008年05月16日:JIADS月例会行ってきました

こんにちは。5月14日水曜日は「JIADS」の月例会のため銀座にある「貴和会歯科診療所」まで行ってまいりました。平日の夜7時から始まる勉強会にも関わらず40名以上の会員が集まり、講師(当日はJIADSペリオコース講師の吉野先生、同ぺリオコース講師の青井先生他がお話されました)の先生のお話を熱心に聞いていました。
 
 吉野先生は当院でも行っている「歯周病細菌検査」の一歩先を行く、「歯周病原因菌血漿抗体検査」なるものの研究についての発表でした。今年の7月から一般臨床に取り入れが可能になるようで、それに先立ってのお話でしたので一部の歯周病専門医以外にはまだ知られていないのではないでしょうか。そのくらいトピックス的な内容だと思います。
 従来の「歯周病細菌検査」と、この「血漿抗体検査」ではどこが違うのか説明いたします。「歯周病細菌検査」ではレッド・コンプレックスと言われるP・g菌、T・d菌、T・f菌などの存在を確認できましたが、細菌の「株」の同定まではできませんでした。研究が進み同じP・g菌のなかでもFimA-typeⅡなどは線毛が長く歯面に細菌が付着しやすく感染しやすいだとか、A・a菌のJP2株などは白血球を破壊する「ロイコトキシン」の産生量が10~20倍違う、などがわかってきました。あらかじめこれらのリスクを知って歯周病の治療に挑めば、なんで治らないんだろう、と言う事はなくなると思いますが全員に必要とも言えないです。それまでの歯周病の経緯などを問診で伺いまして検査すべきかと思われるケースではお勧めいたします。

 青井先生の話はJIADSに入ってからこれまでの、どちらかというと「おもしろい」歯科人生についてのものでした。さすが生粋のJIADSドクターでして、笑いのネタが随所に盛り込まれ会場はドッカンドッカン花火が上がったように笑いが起きていました。とても話し方が上手なのですごいなーと関心してしまいました。

 わざわざ千葉から銀座までよく行くね、と友人に言われることもありますが、JIADSの講師の先生や会員の先生はもっと遠くからお見えになる方ばかりです。知っているだけでも金沢、磐田、浜松、名古屋、北海道・・・みな勉強熱心で、研究熱心な先生ばかりで、焦りすら感じることも時々・・・、しょっちゅうですね(笑)、あります。見習いたいと思います。

 明日と明後日は「新潟再生歯学研究会」の研修で燕三条まで行ってきます。先月の講習は新潟駅から在来線という場所にあったので新幹線は新潟で降りるつもりでした。偶然のったのですが東京駅を出たら次が新潟、なんていう新幹線もあるのですね。知らなかったのでびっくりしました、飛行機かよっ、て。今回は間違えてそれに乗らないように気をつけて行ってきます。


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2008年05月15日:インプラントを考える前に

こんばんは。今日はインプラントを考える前にやはり歯の保存をするということを、もう一度考え直してみたいと思います。予後(治療結果)を考えると問題のある歯をいつ抜歯するのか?非常に迷います。
 歯周病が進行している場合ですが、まず①歯に着いた歯石などの汚れを確実に除去できること②再生療法をしてから周囲に固定源となる動揺(揺れ)のない歯が存在するか③その歯を無理に残すことによって、かえって歯肉や骨が失われないか。これらを総合的に判断して抜歯すべきかどうか決定します。これはあくまで我々の判断であり、そこに患者さまの意思を加味して良く話し合って治療方針を決めていきます。どうしても抜歯はしないでくれ、という患者さまもいらっしゃいます。その場合は残す事のリスクを受け入れてもらうこと、結果悪化したとしてもそれは自分の判断であると理解してもらえることは必要ですね。
 
 虫歯の場合はどうでしょう。神経まで達しない虫歯は当然問題なく抜歯などせず保存的な治療となります。
 神経まで達する場合で、虫歯が歯肉の下まで進んでいない場合は「ラバーダム防湿」が確実にできるので、根管治療も普通は確実に近い治療が可能ですが、ここまでの治療が必要になった歯は一生を添い遂げるのは実は厳しいと言えます。もちろん上手にブラッシングして良好な予後を過ごされる患者さまも多いですが、神経のある歯よりも神経を除去した歯の方が破折やヒビが入る可能性が高くなります。まず歯の保存より神経の保存も重要だという事を知ってください。ここにお出しする写真は虫歯は神経の部屋にまで到達していましたが、自発痛がなく歯の神経は生きていることが確認されたため、ラバーダム防湿を行ない保存いたしました。これは露髄といって神経の部屋が露出した状態を示します。
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次に露出面を洗浄して保護する水酸化カルシウムとコンポジットレジンで修復した様子です。
PICT0748.JPG
なぜここまでしたいのか?ですが、この歯は左下前から7番目で最後方の歯です。この患者さまの症例では単独の修復ではなく、ブリッジの支台(ささえの歯)となるため負荷が大きいのです。データとして、神経がある下の7番目の歯はより、神経を取ってしかもブリッジの支台とかった場合、10数倍くらい破折(歯が割れる)の危険性が高いと言われています。
 ただし、虫歯が歯肉の下まで進行していたら、これは厳しいです。ラバーダムがかけられないため唾液の侵入を防ぐことができなくなる可能性が高くなります。虫歯の部分がごく一部であればCR(コンポジットレジン)などで壁を作り、問題ない場合もありますが崩壊が著しければ別の手段を必要とします。「エクストルージョン」といって限局矯正を行ない、歯を数ミリくらい上に移動させて歯肉の下まで進行していた部分を歯肉の外側にまで出してあげて初めて、正しい処置が可能になります。ここまでしないと深い虫歯を予知性をもって治すことは不可能なのです。
 もしこのような深い虫歯があり、しかも中程度以上の歯周病があれば「2重苦」ですよね。そうなると保存よりも抜歯した方が「再治療がないこと」を優先する患者さまに対しては適しています。つまり正しい答えは1つではないということです。インプラントの予後は非常に良いと思われます。ただ、虫歯が出来ていてもごく初期であってリスクが低いと考えられる患者さまなら様子を見る、進行が確認されたりしたら初めて最小限の介入をする。一度治療をした歯の修復(保険修復のデータです)は平均数年から10年くらいで再治療が必要になります。そうすると修復が1度目よりも大きくなります。それを一生の間で繰り返すと、いずれは神経を取る(抜髄治療)、再感染を起こしてしまえば「再根管治療」をする、それもできなくなれば抜歯となります。つまり最初のその歯への介入のタイミングを1日でも遅らせることは、最終的にインプラントにする日を1日遅らせることができますから、その歯の一生にとって非常に大きなメリットをもたらします。患者さまにも一緒に考えてもらい、ベストな治療を見つけるお手伝いができればと考えております。


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2008年05月14日:前歯と奥歯の役割の違い

こんにちは。なぜかこのごろ寒くて体調を崩している方もいらっしゃると思いますが、くれぐれもお体をご自愛ください。オガワにしてはこの挨拶、カタイかな。

 先日あったトラブルについて報告いたします。前歯も奥歯も虫歯だらけの男性の話です。初診時の主訴(ここから治してリストですね)は前歯が欠けてなんとかしてくれ、でした。被せ物を入れて2、3回で治療は終わったと思うのですが、それっきり奥歯の治療をさせてもらえず数か月が過ぎていました。すると「治療した歯がもう壊れたんだけど・・・」という電話です。これが今日のテーマの「前歯と奥歯の役割の違い」なんですね。
 奥歯は上顎と下顎を結んでいる筋肉の力を支えることが一番の仕事です。前歯は物を噛み切る、左右のどちらかで噛む場合のガイドの役割、この2つがメインの仕事です。元々の噛み合わせに問題がなければ1本くらい歯がなくてもある程度は機能的に問題がない、これは症状として表に出ないという意味ですが、食事したり、話したりできちゃいます。これが多数の歯を悪い状態で放置したり、元々の噛み合わせが悪かったりすれば、いろんなところにガタが来ます。
 
 たとえば、奥歯がまず右側1本が大きな虫歯があったとします。触ると痛いけどガマンできるな、程度とします。そうすると普段左側をメインに使うようになり、左側の噛み癖がつてしまいます。次に左側が多くの力を受けるようになり詰め物が取れやすかったり、咬耗(こうもう)といって過度に擦り減ったり、力がかかり過ぎたら歯にクラック(ひび)が入ったり、数え上げたら枚挙にいとまがありません。
 歯に起こる擦り減りは咬合面と隣接面(噛む面と隣と接する面)になりますが、それによってできる隙間を補正するために歯は少し挺出(抜ける方向に移動すること)と近心傾斜(前に向かって倒れること)を起こします。ということは、もし歯が抜けたところを放置したら、奥側の歯が手前に倒れますね。これは矯正をして治さなければならず、時間もコストもかかる結果となります。
 さらに多数の歯を抜けたままにしておいたら、そこで支えるべき力を前歯や反対側で支えるようになります。本来前歯の役割というのは前述したように咬合支持(垂直的な力を支える)ではありません。そうすると力に負けた前歯は前方に向かって傾斜していきます。一般に「フレアアウト」と言います。これも歯の位置異常ですから矯正歯科の出番となります。
 じゃ、逆に前歯がない、または前歯が本来の役割を果たせない開口の場合どういった変化が起きるでしょうか?「アンテリオール・ガイダンス」といって横方向に顎を動かそうとした時に、奥歯を守るために前歯が接触して奥歯が離れるのが正しい噛み合わせです。ちなみに私はうまくこれができていないようです(笑)。お恥ずかしい。このアンテリオールガイダンスが欠如していると奥歯がダメージを受けます。
 参考のデータとして千葉市の高齢者の方で8020(80歳で20本の歯を残そう)運動を達成した方のうち、開口といって前歯が正しく機能せずアンテリオールガイダンスがない方は何%くらいいるでしょうか?


答えは0%です。これはデータ上必ずと言っていいほど、奥歯からダメになり抜歯に繋がる坂道を転がっていくのです。噛み合わせって大事ですね。ご心配な方はメールで質問を受けてます。メールでの質問はタダだからどんどん聞いた方が得ですよ。


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2008年05月13日:最新のマテリアル②

おはようございます。昨日に続く「最新のマテリアル」シリーズの第二弾ということで「メンブレン」について説明していきましょう。ここんとこホントにニッチな話題ばかりでおもろくないなーと思われる方は、飛ばしちゃってください。パスってことでお願いします。

 メンブレンは「吸収性」と「非吸収性」のものがあります。メンブレンは骨補填材より理解しやすいです。「吸収性メンブレン」はオペで使用したあと自然になくなるので撤去するオペがいらないです。
 「非吸収性メンブレン」の代表的なものに、衣類などで使用される「ゴアテックス」を用いたメンブレンがありますが、これは体のなかで変化を起こさず安定しています。うらを返せばそのまま体の中に残り続けるので、必ず撤去するオペをさせていただきます。ただしオペによってはマテリアルの向き、不向きがありますのでオペの回数が多い少ないだけで決められるものではないのです。

 GBRという骨の造成(増生)を行なうオペをする場合に、メンブレンの役割というのは再生が行われる「場所を確保」すること、になるのです。テントを張ってあげてその中で作業をする、そんなイメージですね。ということは、造成するボリュームが大きい場合は一般的に柔らかい「吸収性メンブレン」を使ったらテントは耐えきれず凋んで(しぼんで)しまいますね。これでは作業場所の確保ができず、充分な量の骨ができないことになります。こういう場合は「非吸収性メンブレン」のチタンフレーム入りなどが向いていると言えます。
 「吸収性メンブレン」が向いているのは小規模のGBR、歯と歯の間の再生療法、などです。小規模のGBRであればいわゆるテントがしぼむことはないです。歯と歯の間の再生療法で「ゴアテックスメンブレン」を使うとかなりの確率で歯肉が破れてしまい、かえって歯肉の位置が下がるという報告が多いです。こういう場所にメンブレンを用いる場合は「生体親和性」が高い吸収性メンブレンを用いた方がうまくいきます。

 生体親和性が高い、とは馴染みやすいということです。傷がもし開いてしまうトラブルが生じた時に「非吸収性メンブレン」はそのまま存在しますから、メンブレンに沿って細菌が深くまで感染が拡がってしまいます。「吸収性メンブレン」というものを使っていれば、細菌感染が起こった時にメンブレンが細菌が産生するコラゲナーゼという酵素によって分解(溶かされる)されるので、細菌が深部に達しないという報告があり、こと感染に関しては吸収性メンブレンの方が有利と言えます。難しかったですね。
 
 どちらを使うにせよ、適応症を正しく選択する診断が大事ではないでしょうか。


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2008年05月13日:最新のマテリアル①

こんにちは。今日のテーマは「最新のマテリアル」と少々うさんくさいのですが(笑)、インプラントや歯周病のオペに使わせてもらう「骨補填材」を取り上げます。
 インプラントの設置を考えた時、歯を作りたい場所に骨がなかったらインプラントが設置できませんよね。まず「歯を作る」まえに「骨や歯肉を作る」必要があるわけです。その骨を作るという部分で必要になるものが「骨補填材」です。材料の組成から大きく2つに分けて理解していきましょう。1つは「生物由来」である製品があります。これはドナー登録されているヒトの骨であったり、牛であったりいろいろあります。BSEが毎日メディアに取り上げられるころは「・・・・それで、骨を作るにあたって牛の骨を・・・」なんて言うと即座に拒否反応が返ってきました。もちろん黙って使用したら医の倫理に反しますから患者さまの了解を得て使用しなければなりません。私は当時(今もですが)このようなお話をさせていただきました。
『牛が怖いと思う気持ちはわかります。リスクを数字にしたデータがあります。地球上に100億人の人間がいたとしてその全員にこの製品を移植したとします。そんな地球と同じような惑星が27億個ありその住民全員に同じように移植をしたとします。それで感染を起こす人は0.7人未満であるというものです。ということはリスクはゼロではないですがかなり低いんです。きっとこの製品を使用してBSEに感染して死亡するより交通事故であなたが亡くなる可能性の方が高いと思いますし、焼肉好きでしょ?それに世界中の文献(論文です)を見ても成功例としてこれが一番多く使われているポピュラーなものなんです。』
もちろんこの説明をさせてもらっても断られることもありましたし、その場合は別のものを使用してします。
 ヒトの骨から・・・という件(くだり)も引っかかる方がいます。これももちろん誰の骨でも、というわけではなく「ドナー登録されている方がお亡くなりになり、内臓を他の患者さまに移植したが問題のなかった個体についてのみ骨を使用して製品化されています」ので、何かある場合はもっと手前の段階で発覚しますから、製品化されている時点で問題はない言えます。それでも使いたくない場合はもちろん次善の策を考えます。

次に「非生物由来」の骨補填材とは化学合成された、とでも言いましょうか人間の手で作られた材料、と言う事ができますね。これは100パーセント感染に対してのリスクはありません。ただ、期待している通り骨の再生ができなかったり、生体には馴染みにくいというマイナスもあるにはあるのです。実際私も使用した経験から、馴染みやすさで言えば自家骨(患者さまご自身の骨です。口腔内の別の部位から採取しなければならないことが多く傷が2カ所になります)、次にヒト由来の骨補填材、βTCP,ハイドロキシアパタイト、BioOss(牛由来)の順かと思います。それぞれに特徴があり、どんなオペをするのかで馴染みの良くない牛由来のBioOssがいいのか、馴染みの良い自家骨もいいけど傷が2カ所じゃあ・・・ということを総合的に判断して、その処置にはこれがベストじゃないですか、というスタンスで選ばせていただいて患者さまのご意思を伺って、一緒にどうするか考えて決めましょう。「先生に任せるよ、わかんねーもん」という患者さまも時々いらっしゃいますが、一番大事な自分の体のことをそのように扱ってきたからインプラントや再生療法が必要な状態になったんですよ、もう再治療がなるべく必要ない、予知性の高い状態で治療を終わりたければ一緒に考えてくださいね、とお話しさせていただきます。おがわ歯科医院はそんなクリニックですから、人によっては「ウザい」と思われるかもしれませんね。


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2008年05月12日:ムーシールド

こんにちは。最近テレビでもよく取り上げられるのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、今日は「ムーシールド」についてのお話です。これは1986年に柳沢宗光先生がデザインした「ムーアプライアンス」の簡易型とでも言いましょうか、乳歯列期の反対咬合を改善するために作られた装置です。反対咬合を認める乳歯列において歯科医師が誘導して上の前歯と下の前歯が切端同志で噛める状態ならば、見かけ上は反対咬合(歯性反対咬合といいます)であっても永久歯の萌出とともに自然に改善するケースが多いです。しかし、その誘導を行っても反対咬合のあるケースでは「骨格性反対咬合」であり自然治癒は難しいと考えられます。
 この「骨格性反対咬合」である場合であっても、放置するよりは改善をめざして手を尽くしてあげた方がズレは少なく済むと思われます。また、「歯性反対咬合」であれば積極的な介入により改善を見込めると思います。いずれにしても成長期のお子さんの体はいろいろな力を秘めていますので、早期に介入することで抜歯をしないで矯正することができたり(非抜歯矯正と呼ばれます)、放置すれば大きな顎のズレを起こしていたであろうお子さんを早期の治療によりごく短期間で矯正治療を終わらせてあげることができたり、メリットは多いです。JIADSの中村公雄先生が言っていた言葉で印象的だったもので「理想的なピンポイントを一回で目指すのは、ゴルフで言えばホールインワンです。なかなかそうはいきませんが、一打目をフェアウェイに乗せておいて次の手を考えながら、グリーンに乗せたら今度は芝の目を読む。それからパットで決める。歯科治療もこれと一緒」と。これは咬合理論(噛み合わせ)を指しておっしゃっていたのですが、小児矯正にも当てはまると思います。成長を通してホールを進みます。ラフに入ったらフェアウェイに出してあげる、バンカーに入ったら出してあげる、それを成長期の矯正では繰り返してあげること、それが小児矯正の本質だと思います。つまり我々のスタンスはお父さまやお母さまと一緒にお子様の成長を見守りながら、フェアウェイから外れた時にだけ介入してあとはまた様子を見る、というものです。ずっと装置を入れ続けるわけではないですよ。ちなみにムーシールドってこんな装置です。
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さかさまに置いて写真をひっくり返しているので少し見にくいでしょうか。なんでもそうですが、適応症かそうでないのかの判断が大変重要となってきます。通われている歯科医院の先生や「歯並びコーディネーター」を持つ歯科衛生士さんに相談してみてください。もちろんメールでの相談もOKですから、おがわ歯科医院宛てにメール下されば私のわかる限りでお答えします。あっ、質問は歯周病(歯槽膿漏)、インプラント、なんでも承りますから、なんでもご相談ください。


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