新着情報2008年05月15日
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2008年05月15日:インプラントを考える前に
こんばんは。今日はインプラントを考える前にやはり歯の保存をするということを、もう一度考え直してみたいと思います。予後(治療結果)を考えると問題のある歯をいつ抜歯するのか?非常に迷います。
歯周病が進行している場合ですが、まず①歯に着いた歯石などの汚れを確実に除去できること②再生療法をしてから周囲に固定源となる動揺(揺れ)のない歯が存在するか③その歯を無理に残すことによって、かえって歯肉や骨が失われないか。これらを総合的に判断して抜歯すべきかどうか決定します。これはあくまで我々の判断であり、そこに患者さまの意思を加味して良く話し合って治療方針を決めていきます。どうしても抜歯はしないでくれ、という患者さまもいらっしゃいます。その場合は残す事のリスクを受け入れてもらうこと、結果悪化したとしてもそれは自分の判断であると理解してもらえることは必要ですね。
虫歯の場合はどうでしょう。神経まで達しない虫歯は当然問題なく抜歯などせず保存的な治療となります。
神経まで達する場合で、虫歯が歯肉の下まで進んでいない場合は「ラバーダム防湿」が確実にできるので、根管治療も普通は確実に近い治療が可能ですが、ここまでの治療が必要になった歯は一生を添い遂げるのは実は厳しいと言えます。もちろん上手にブラッシングして良好な予後を過ごされる患者さまも多いですが、神経のある歯よりも神経を除去した歯の方が破折やヒビが入る可能性が高くなります。まず歯の保存より神経の保存も重要だという事を知ってください。ここにお出しする写真は虫歯は神経の部屋にまで到達していましたが、自発痛がなく歯の神経は生きていることが確認されたため、ラバーダム防湿を行ない保存いたしました。これは露髄といって神経の部屋が露出した状態を示します。
次に露出面を洗浄して保護する水酸化カルシウムとコンポジットレジンで修復した様子です。
なぜここまでしたいのか?ですが、この歯は左下前から7番目で最後方の歯です。この患者さまの症例では単独の修復ではなく、ブリッジの支台(ささえの歯)となるため負荷が大きいのです。データとして、神経がある下の7番目の歯はより、神経を取ってしかもブリッジの支台とかった場合、10数倍くらい破折(歯が割れる)の危険性が高いと言われています。
ただし、虫歯が歯肉の下まで進行していたら、これは厳しいです。ラバーダムがかけられないため唾液の侵入を防ぐことができなくなる可能性が高くなります。虫歯の部分がごく一部であればCR(コンポジットレジン)などで壁を作り、問題ない場合もありますが崩壊が著しければ別の手段を必要とします。「エクストルージョン」といって限局矯正を行ない、歯を数ミリくらい上に移動させて歯肉の下まで進行していた部分を歯肉の外側にまで出してあげて初めて、正しい処置が可能になります。ここまでしないと深い虫歯を予知性をもって治すことは不可能なのです。
もしこのような深い虫歯があり、しかも中程度以上の歯周病があれば「2重苦」ですよね。そうなると保存よりも抜歯した方が「再治療がないこと」を優先する患者さまに対しては適しています。つまり正しい答えは1つではないということです。インプラントの予後は非常に良いと思われます。ただ、虫歯が出来ていてもごく初期であってリスクが低いと考えられる患者さまなら様子を見る、進行が確認されたりしたら初めて最小限の介入をする。一度治療をした歯の修復(保険修復のデータです)は平均数年から10年くらいで再治療が必要になります。そうすると修復が1度目よりも大きくなります。それを一生の間で繰り返すと、いずれは神経を取る(抜髄治療)、再感染を起こしてしまえば「再根管治療」をする、それもできなくなれば抜歯となります。つまり最初のその歯への介入のタイミングを1日でも遅らせることは、最終的にインプラントにする日を1日遅らせることができますから、その歯の一生にとって非常に大きなメリットをもたらします。患者さまにも一緒に考えてもらい、ベストな治療を見つけるお手伝いができればと考えております。





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