新着情報2008年07月08日
2008年07月08日:根管充填6
こんにちは。歯に起こる不都合ですが、なんであれ原因をたどると意外と単純なんです。①細菌の感染 ②咬合力 ③その両方 これだけなんです。
虫歯とか歯周病は典型的な①による病態ですね。歯の表面に虫歯の原因菌が付着して進行したものが虫歯です。歯と歯肉の境目に歯周病菌が感染して骨の破壊が進行したものが歯周病です。
②によるものってなかなか自覚しにくいかもしれませんね。歯ぎしりによる歯の擦り減り、歯のひび割れ、詰め物が取れやすい、などがあります。③はきびしいですね、これらが合わさって起こるわけですから治療が非常に困難になってきます。
今回は根管治療がテーマですから、力の関わりについては別の機会にお話しします。じゃ、この前振りはなんだったのか?そうです、まずはこのレントゲン写真を見てください。
実はまだ根管治療の途中でのレントゲン写真ですが、水酸化カルシウムを入れて仮コア(歯を傷めないレジンコア)を入れて、プロビジョナル・レストレーション(仮歯)が入っています。
初診時の患者さまの主訴は噛んだ時の違和感でした。まず歯周病の有無の確認からと考え、歯周ポケットの審査から行ないました。初診時にはポケットは存在しませんでしたが、このレントゲン写真を撮る頃にはこのようになっており、今思えば初診時から歯にヒビが存在し、そこに感染が起こって歯周ポケットになっていったのではないかと考えています。
通常通りラバーダムをして根管治療を行っています。根の先の病巣は水酸化カルシウムがオーバーフローしていないことから、このレントゲンを撮った時点で問題ないと思われました。しかし周囲を探ると限局した歯周ポケットが存在するのです。そこに「ガッタパーチャ・ポイント」という根管充填で用いる材料を歯周ポットの中に入れて(すでに隙間が空いているから痛みはありません)レントゲンを撮ると、「ガッタパーチャ・ポイント」が根の分岐部あたりまで入っていくのが確認できました。
何が言いたいのかですが、歯がダメになる原因はとても複雑であると言うことです。この歯のトラブルを今振り返ってみると①咬合力によって失活歯(神経がなく呼吸していない歯)にヒビが入って違和感があった②根管治療を行なうも病態としてはヒビを伝って感染が広がり歯周ポケットを作ってしまった(これはもうすでに防げない状態です)③根尖に病巣はないが、ヒビ周囲には感染が残っている。このような順序で病状が進行したものと考えています。
ただし、現在症状はなく「歯周外科処置」などは受けたくない、抜歯するのも嫌だ、ということでこの状態でプロビジョナル・レストレーションが入って、時々経過観察にいらしていただいているのです。
この患者さまにはお気の毒ですが、「がんばって歯を残すには遅すぎる。早く抜歯をして歯の周囲の組織を守ることを考えるステージにある」ということを、正しく理解していただき抜歯を行なうべきと考えます。そうしないと今後抜歯しっぱなしというわけにはいきませんから、なんらかの形で歯を作らねばなりません。その時インプラントという選択肢を失うことになるかもしれないからです。





RSS
