新着情報:カテゴリー「噛み合わせ」

 

2010年05月20日:出られない歯、救出!

こんにちは。以前処置の内容だけお伝えした「出てこられない永久歯」について、その後良好な経過が確認できましたので追加して報告します。タイミングを逃したのか、右上の6歳臼歯が9歳になっても出て来られない状態で、このままでは歯根の成長にも影響する危険があったので、邪魔をしている歯肉を切除して永久歯の萌出(ほうしゅつ:歯が出ること)の手助けをいたしました。


 まずは処置前から見ていきましょう。


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 このような状態でまったく出てくる気配なしですね。レントゲンを見てみましょう。黄色の矢印が出ていない右側で、青い矢印がすでに出ている左側です。明らかに根の成長に差が出てきました。これ以上は看過できないため、処置に踏み切りました。

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 そして処置直後です。エルマンの電気メスを用いて無出血処置です。切れ味がいいので治癒も早いです。


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 そして、これが40日後の経過観察の時の様子です。


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 こうなれば、もう何か問題があった歯なのか?というくらいきれいになってますね。あとは根の成長がほかの歯と同じようになっているのか、数ヵ月後に確認を行っていきます。その頃またみなさんに報告しますね。Kちゃん、がんばったね、お疲れ様。



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2010年02月24日:咬合診断

こんにちは。今日ご紹介するケースは歯の痛み以外にも、不定愁訴をお持ちの患者さまの噛み合わせの診断を行うための審査についてです。正しく咬合器という噛み合わせを再現する機械に、上顎と下顎の模型をセッティングするためにフェイスボートランスファーという操作をします。その上で咬合器にフェイスボーをセットして模型を着けている(マウントすると言います)ところです。


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 そして上の歯に合わせて下の歯の模型を装着したところです。


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 なんと、上の歯で下の歯がまったく見えません・・・。噛み合わせがはまり込んでいます。筒井塾の5大禁忌の「はまり込む咬合」ですね。やってはならない状態になってしまっているわけですから、様々な不定愁訴が出てくることでしょう。しかし、これをリリースすればかなり楽になりそうですよね。


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 上の歯並びも窮屈そうです。


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 下もです。どうやら前方から押し込まれているみたいですね。ということは「下顎を後方に押し込んで」いるわけですし、その分「顎関節に負担をかける」噛み合わせであることがわかります。つまりどれも筒井先生のおっしゃる「やってはならないこと」が起こっているための症状であることがわかります。なぜこうなったのか、その原因がわからなければ、治癒への道はわかるはずがありません。


 さまざまな症状をお持ちの患者さま、かかられている先生に「私なぜ、こうなってしまったんでしょうか?」と聞いてみてください。「そんなのわかりませんよ」という先生にはあなたの悩みは解決できませんから。


 


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2010年02月12日:失活歯の歯根破折

こんにちは。長年つかっていたブリッジ(⑤6⑦のブリッジで5が痛むようです)の土台部分がお痛みがあるとのことで、来院された患者さまですがレントゲンを撮ってもはっきりしたことがわかりませんでした。しかし深いポケットがあるのはわかっていましたのでおそらく歯根破折だろう、と。

 ブリッジを除去して、再度プローブを差し込んでみると(もちろん麻酔した状態ですからね、患者さまは痛みはないんですよ)10ミリ以上の深いポケットです。この部分だけピンポイントでこの深さです。


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 結局はこの部分抜歯となりました。抜いてみたらバラバラというか粉々でした。75歳の患者さまにご希望を伺うと「同じようにいつの間にか壊れていて、抜歯になるのは怖い。ブリッジは不安」ということで、患者さまは義歯を選択されました。4と7を大きく削ってまで再度ブリッジを作っても、あまり長持ちは期待できないと思われるので賢明な判断だと思います。保険できるから・・・と恐ろしい設計の補綴をされてはいませんか?


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2010年01月23日:咬合力分散

こんにちは。右上の再生療法を行う上でCTを撮影させていただきましたが、その際反対側の左上5に骨の吸収像があったため、その事情を患者さまに説明し「20年以上前に製作したブリッジだし、外して状態を確認して欲しい。作り直しはブリッジ以外の方法でお願いしたい」というご希望に沿って行いました。

 まずは治療前のCT画像から見ていきましょう。


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 グリーンのドット部分では歯周病により骨の吸収が起こっているように見えます。しかし、ブリッジ除去時に麻酔をしているので歯周ポケットの深さと言いますか、骨がどのレベルで残っているのかを確認(ボーンサウンディングといいます)しました。結果は最大で4ミリなんですね。意外と浅いですがこれはなぜか?患者さまの口腔内を確認すると強度のブラキサーであり、多数の歯にファセット(対合歯とのすり減り)がありました。つまり歯周病を起こす細菌の感染により生じた歯周ポケットではなく、噛み合わせる力が過度にかかったことによる「咬合性外傷」であろうと思われます。それにより骨密度が低下してあたかも骨が吸収しているようにみえるのでしょう。これが除去前の状態です。


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 このブリッジは20年以上前に、お知り合いのベテラン先生がお作りになったということですが、適合精度といい、きれいな形成、歯肉の仕上げ、すべてすばらしいです。埼玉県日高市武蔵台歯科医院の東金先生、とても勉強になりました。
 除去してみたら犬歯の方にわずかに虫歯がありましたが、簡単に除去して修復完了です。

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 そして今回おがわ歯科医院で作った仮の歯(プロビジョナル・レストレーション)です。この部分の噛み合わせを様子見ながら5をどう扱うのか判断しますが、おそらくは歯周病ではないようなので再生療法は今回のケースは必要ないのではないでしょうか。CTがすべてではないですね。

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 では今後同じようにブリッジで修復することは患者さまも望まれていませんし、同じ結果を引き起こす可能性が高いと思いますので、どのように治療を進めるのか?患者さまは欠損部分にインプラントを設置して、345それぞれ「1本の歯にかかる力は、1本の歯、1本のインプラントが負担する」という設計を選択されました。ただし、その場合も「ここをこのようにしてしまった」力はかかるわけで、噛み合わせのチェックは一生していかなければならないはずです。インプラントを入れたらおしまいではなく、お付き合いがずっと続く、そのスタートですからね。
 


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2010年01月02日:咬合力

こんにちは。今日はかみ合わせ・咬合力についてのお話です。これは我々が一番手を焼く、困る、悩む分野ですね。どうにも我々にはコントロールができないし、食いしばりや歯ぎしりをする方には「いやあ、先生、私はしていません」と認めてくれない患者さまも多いですから、それを認めてもらうまでが一苦労、そしてそれを防ぐ(正確にはそれによって歯が傷むことを防ぐ)ことが難しいんですね。


 一般には通常はない食いしばり(クレンチング)・歯ぎしり(ブラキシズム)を総称して「パラ・ファンクション」と呼んだりします。余談ですがクレンチングとは「横紋筋の収縮」を指しますので、正確には食いしばりのみを指す言葉ではありません。豆知識。


 これらのパラファンクションが存在すると、当然歯は傷みますよね。歯がすり減る、歯にヒビが入る、歯が硬い場合は歯はすり減らずに歯の周囲の骨が減る、歯が折れる、歯が抜ける・・・こういったことが起こります。歯が抜けるとは極端ですが、お一人だけこうなったという話を聞いたことがあります。その方は歯科医師です。


 さて、歯がすり減るといっても程度によりますが、ある程度はエイジング(加齢変化)と考えてもいいですね。ある論文によれば「正しい(何をもって正しいかは・・・難しい話です)噛み合わせであれば、歯のすり減りは起こらない」とするものもありますが、これまで拝見したお口の中から考えると概ね多少のすり減りは起こっています。


 すり減りが大きくなるとどうなるでしょうか?上顎と下顎の骨格の位置関係は上下の歯の接触により決められていますよね、無歯顎(総入れ歯をお使いの方)以外は。その歯、もしくは総入れ歯の人工歯(入れ歯に着いているプラスティックの歯)が摩耗してなくなったら、上下の顎の位置関係が保てなくなりしまいには舌が動くスペースがなくなりますよね。食事ももちろんできなくなりますよね。

 下顎は「バランサー」の役目をしますから、本来はブラ~ンとぶら下がって生体のバランスを取っているものなのです。それが過度の咀嚼筋の緊張によりたえず固定されていたら、生体がバランスをとることを妨げてしまいます。いろんな意味からこのパラファンクションは困ったことなんですね。


 


 しかし、これにも意味があります。ストレスの緩和なのです。マウスの実験データですが、過度のストレスを与え続けたマウスの体内でストレスを受けた時に分泌されるホルモンの量を測定した結果、パラファンクションをさせたマウスの方がパラファンクションを禁じられたマウスより、そのホルモン量が有意に低かったというものです。この結果より、我々が日々受けるストレスを自然と脳は受け入れられない分はこうして発散させているのです。


 ということは、今の結論としてパラファンクションは「必要悪」なんですね。でも僕らの領域では「あっては欲しくないもの」の代表選手ですから、こういったもので上下の硬い歯どうしがお互いの強い力ですり減ってしまわないように保護することも、有効な手段ではないかと思います。

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 僕なりの考えである程度の柔らかさのあるタイプを推奨しています。これでは余計に噛んでしまうというケースも経験していますが、そういった場合には硬い変形しないタイプを用いることもあります。しかし、いきなりハードというのは・・・上下の顎間関係が正常でTMD(顎関節症)が絶対ないならばありでしょうが、問題とはなっていないがその要素がありハードのスプリントにより早期接触をこちらが作ってしまったら、顎関節症が発症してしまうかもしれません。


 僕はかみ合わせ認定医ですが、エキスパートだとは思っていません。まだ自分の知らないことがたくさんあると思っています。自分の思い込みで患者さまの体に不具合を起こすわけにはいきませんから、初期の治療としては「ほぼ全員の体に不具合を起こさない」ソフトタイプのマウスガードを装着していただいています。これは保険対応可能ですよ。


 明日のなすびはどうするか???


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2009年11月13日:鍵

こんにちは。噛み合わせのカテゴリーにしましたが、いいのかな?治療において鍵になる歯ってあります。これさえ残せれば、ここに歯があったら、などと日常思うことがあります。それのことです。

 では写真を見てみましょう。

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 このマルの場所は歯が存在しますが、ばってんの場所には歯がありません。


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 ということはですよ、装置をかけている虫歯が歯肉より下まで進んでいるこの歯が「鍵」で、この歯がなくなってしまったら⑦65④というブリッジになって、2本で4本分の力を負担しなければならないわけです。それって4人の職場なのに2人休んだらどうしよう・・・ってのと同じですよね。厳しいわけです。まず10年なんかもたないでしょうね・・・。


 そしてもたない先にあるのは、今は健全な2本の歯の悲しい結末・・・歯が割れて抜歯、力に耐えかねて揺れて抜歯、被圧変位量(たとえば10キロの力を受けて1ミリ沈む歯と、1.5ミリ沈む歯が連結されていたらいつか接着剤がはがれますよね・・・)が違うので、どちらかの接着剤が溶けて二次的に被せ物との間に虫歯ができて再治療、そんなとこでしょう。

 なるべく「歯の保存」をしてあげて、力に耐えられる構造物を作ること、それがこの場合とても大事です。装置をかけた歯は移動して歯肉の外の世界に連れ出してあげて、視界が開けたら他の歯と同様にブリッジの支えとして活躍してもらいます。4人の職場でも3人ならなんとかなるでしょう。ん?キツイ?だったら助っ人としてインプラントを欠損部分に設置すればいいんです。これは患者さまがどうしたいかにかかっていますから、お互いに納得がいくまで話し合って治療方針を決めましょう。


 おがわ歯科医院に「先生に任せるよ!」はありませんから(古い付き合いの患者さまの希望はある程度察しますから、そういう場合は除いてですよ)一緒にズレのない共通のゴールのイメージを持ってスタートしましょうね。


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2009年07月09日:なぜだかわかります???

こんにちは。まず写真を見て下さいね。

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 歯並び・・・良くないですよね。こちらの患者さまですが、主訴(一番の来院のきっかけになった症状のこと)はなんと、不眠です。ご本人曰く、噛み合わせが悪いことで顎関節症になり(これは正しいかな)、そのことで噛む位置が安定せず眠れない、ということでした。顎の関節や咀嚼筋(噛むための顎の筋肉)の触診でもいくつか圧痛がありましたね。

 原因を考えると「態癖」などもあるでしょう。しかし、主訴は「不眠」ですよ?我々歯科医師がタッチしていいものか、しかし「考えすぎ」と断じてしまって「薬漬け」の人間を作ってしまっていいものか?悩みますが、もちろん答えは、「介入」でした。
 すぐに、何をするわけではなく「上顎へのスプリントを入れることで、何かしら変化(好転反応)があれば歯科的な問題が原因である可能性がある」と考えるてもいい、という九州の下川先生がおっしゃっていた見方を参考に判断させていただきました。スプリントを装着してもらって、違和感が減少して睡眠もとれるようになったと・・・。それで来院が途切れてしまったわけです・・・。

 ま、患者さまの苦痛が和らいだのは幸いなのですが、なんら歯科的な変化は良い方向には起きていないのが気になります。というのは、健全な口腔内の環境とは言い難く、歯並びは「不健康なまんま」であり、再発は時間の問題だからです。患者さまが望まれないことは我々はすべきではありませんから、手を出せません。
 上の左右の2番目の歯が変色していることにお気づきですか?これは咬合性外傷という「力に負けて」歯の神経が失活してしまった(神経が死んでしまった)状態です。それほど力の影響って歯に関係すると大きいのです。もちろん、そこもノータッチのまんまですけど。何かあったらご連絡お待ちしています。


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2009年04月21日:スプリント(テンプレート)の危険性

こんにちは。土曜日と日曜日で筒井塾の修復的歯牙移動コースに行ってまいりました。診断の要となるセファロトレースとスーパーインポーズという基本的な部分から、ワイヤーのベンディング(オメガループ・タイバックループ・Vループ・Lループなどなど・・・)の実習(なんと土曜日に日曜日までの宿題がでました!飲みに行けないじゃん・・・苦笑)や、講義では「移動できない歯、顎関節症についてのさまざまなこと、スプリント治療の怖さ、態癖、ブラケット・ポジションについて」など脳が熱くなるほどの内容の濃さでした。


 さて、スプリントですが、私も治療で使うことがあります。咬合において「バーティカル・ディメンジョンの低下や左右非対称」などは悪化傾向にあると考えますから、そうせざるを得ないような治療行為を伴うものは自ずと難症例となるわけです。これは矯正治療においてもそうでしょう。スプリントとは歯の表面に乗せるプラスティックのプレートです。これを乗せて噛むことで上下顎間距離が開き、バーティカル・ディメンジョンが「一時的に高く」なります。


 これは体にとっては受け入れやすいことで、咬合の悪化とは真逆のことですから患者さまが感じている症状が軽減されることが多いわけです。しかし、「一時的に」を強調したのは意味があります。もしずっとこれを装着して絶えず噛んでいたとします。そうするとスプリント下の歯がめり込む(圧下といいます)わけで、これが大臼歯部に起きれば顆頭(下顎骨の顎関節を構成する部分)を突き上げやすくなり、TMD(顎関節症)症状を憎悪させることが想像されます。
 また外したときは歯がめり込んでいますから、まさにバーティカル・ディメンジョンが低下していて咬合状態が悪化しているわけですよね。


 スプリントは一時的に入れるように指導しなさいと、各方面から聞いたことはありましたがこういう事情だったのですね。


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2009年04月20日:もはや手遅れ(咬合崩壊)・・・

こんにちは。今日は一見歯の本数だけはある程度残っており、まだ抜かないでなんとかならないか?とよく言われるけれども「無理」なケースのひとつについてお話します。ではまず当院での初診時の写真から見ていきましょう。


 上の奥の義歯が壊れたので作り直してほしい、とおっしゃって来院されました。一般の方が見れば、壊れた前歯治して義歯を作り直してあげればいいじゃない、と思われるでしょう。そうは事は容易ではないんです。
 まず事が起こった時はその原因を考えてあげないと、一時的に修復できたとしても再発しますよね。なぜこうなったのかを考えること、そのための検査・審査があって初めて診断が可能となります。しかし、我々歯科の世界には医科のような検査項目が「保険上」ありません。それがこういう口腔内を作ってしまう一番の原因だと思いますがね・・・。


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 見てみれば上顎と下顎が近づいてしまい距離がないですよね(バーティカル・ディメンジョンの低下、またはバーティカルロスと表現します)。これは正しい上下顎間距離を維持する「奥歯の支え」が不十分であり、そのため前歯で咬合力を負担せざるを得ない状況になり、前歯が力を支えきれずにフレアアウト(外側に傾斜していくこと)しているようですね。


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 ほら、歯のあるところで噛もう、噛もうとしますから、歯のある前歯部分(特に下が)が異常に擦り減ってしまっています。そもそも後ろの義歯の部分ではそんなに噛んでいないのでしょう、下の奥の義歯がこんなに浮いていても何も気にされるようなことはおっしゃっていません。


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 咬合面から見ると上下はこんな感じです。


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 それで何が「手遅れ」なのかと言うと、上の歯を保存して噛み合わせを回復することは、インプラントを用いないとすればすでに「不可能」だということです。前歯の位置をまず傾斜する前の状態に戻せればいいですが、これはインプラントというアンカーがあって初めて可能になりますので、この状態のままでは前歯を後ろに引けません。逆にインプラント治療を行うならば、この予後の悪い歯を残して治療するほうが予知性を下げる結果になりますので、かえって好ましくありませんから抜歯が好ましいわけです。つまりそうしても保存には厳しいですとしかお答えできません。


 結局、患者さまは抜歯して総義歯という方法を選択されました。しかし初めての総義歯、簡単に馴染めるもののようではなく、御苦労されているようです。上の奥歯がなくなったら咬合の崩壊へはとても近いものと考えており、可能であれば前歯のフレアアウトが起こる前にインプラントを正しく設置してあげて、噛む力を支える場所を確保したいと思います。上の奥歯のサポートがなくなったら、要注意ですね。
 えっ?下の奥歯じゃないの?と思われた同業者の方、果たしてそうでしょうか?


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2009年04月10日:骨隆起

こんにちは。タイトルに骨隆起と書きましたが、これはできる場所は様々ですが、頻繁に見かける下顎舌側の骨隆起の写真です。


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 どうしてできるのかですが、一般には「力のかかる場所」にできるようです。みなさんなんかしら噛み癖があることが多いですが、それらの歯の周囲にできますから上の奥歯の外側とかにも見ることがあります。また、口蓋(口の中の天井に当たる部分)の中央部分にできることもありますが、もしそういった方が義歯の製作を望まれた場合、安定を得るのは難しいですね。

 それに骨隆起がある部分には「そうなってしまう」力の影響があるわけです。それは万が一歯がなくなっても力がかかり続ける可能性を示しており、欠損を安易にインプラントで回復して・・・、なんてことをしたらインプラントが同じ経過を辿り撤去・・・なんてことになるかもしれません。

 しかし、なんらか、例えばぺリオの再生療法のオペをする際にはここから自家骨を拝借すれば、生体に異物(骨補填材など)を使わなくて済みますね。生体にとって必要最小限の骨を作るならばこれで十分かと思いますが、インプラントという異物を支える強固な骨が必要な場合には、骨補填剤の方が好ましい場合もあるかもしれません。骨隆起も生かし方があるといえますね。

 骨隆起もそれがあるその瞬間をとらえるのではなく、一生の中で行われる骨のリモデリングと呼ばれる骨の吸収と添加の繰り返し、それが行われているだけで病気ではないのですが明らかになんらかの反応なので注意深く観察したいものです。


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