新着情報:カテゴリー「根管治療」
2008年08月08日:抜歯してインプラントにしないために
こんにちは。今日は暑いですねー、空調をいつもより強くしているのに涼しくない・・・。作業効率が落ちそうです。そんな中、一生懸命頑張ってくれるスタッフには感謝ですね!!
さて、タイトルの「抜歯してインプラントをしない」ために、虫歯に対しては事が大きくなる前に正しい処置をして保存する、また、歯周病に対してはこれまた事が大きくなる前に汚れを取りそして再発しにくい環境を作る、こうして対応することは「歯科マニア」の患者さま、もしくは読者の方はご存知でしょう。
また、今日も暑い中スタッフと一生懸命頑張った「良い根管治療」の結果をご紹介します。
僕は以前もお伝えしましたが「根管治療専門医」ではありません。ただ真面目に根管治療に取り組んでいるただの歯科医師です。僕ができる根管治療を患者さまに正しく知ってもらい、それによって一本でも多くの歯が抜歯にならず、インプラントの本数を減らせることができれば(クリニックの売り上げ的には抜歯してインプラントにできればありがたいはずですよ、ホンネではね)、歯科医療を通じて社会貢献できたのかなと考えます。
ですから、『インプラント実績3000本!』とか大々的にうたっている歯科医院ありますよね。あれってどうなの?と僕は思います。確かに1本しかインプラントをしたことない歯科医師にインプラントをしてほしくはないですし、僕も歯を失ってインプラントを考える時が来たら経験豊かな先生を探すとは思います。でも本当は残せた歯なのに先生主導で抜歯していませんか?という疑問が生じませんかね。
たしかに素人である(セミプロもいますね)患者さまが、「これ、残るでしょ?」とお考えになる歯でも周囲の骨の吸収(溶けている状態)が進行していれば、病状をストップさせるため抜歯が一番好ましい場合も多々あります。ただしそれは「現状を正しく我々が伝え、その上で患者さまが選択されるのであれば、自己責任において残したっていいんです」よ。その代りいつか「インプラントにしてください」と言われても出来ないことがあること、もしできても追加の処置が何等か必要になること、それを充分御理解下さい。
ひとまず、今日の根管治療はグッジョブですね。
千葉県千葉市緑区のインプラントはおがわ歯科医院 ちばみなみ歯周病 インプラントセンター
2008年07月18日:抜歯せずに済みましたね。
こんにちは。根管治療してみて結果が良くなかったら抜歯してインプラントとなる可能性がありましたが、幸い根管治療で改善が認められたので抜歯を回避できました。
通法に従って水酸化カルシウムを用いて根管治療を行って3か月後の状態です。
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感染の程度にもよりますから、根管治療でなんでも治るわけではありませんが、治るようにやれば治るものは治るんです。今日もグッジョブ!!!
千葉県千葉市緑区のインプラントはおがわ歯科医院 ちばみなみ歯周病 インプラントセンター
2008年07月16日:抜歯してインプラント?それとも。
こんにちは。根管治療の10回連載が終って間もないのですが、こんな場合「ああ、こんなになったら歯を抜くしかないねー」って言われますよね、きっと。
根の周囲に骨の支えがなくなっているようにレントゲンも写っていますし、歯も揺れがありました。ただタイトルにある「抜歯してインプラント」すると言っても、これだけ骨のダメージが大きいとインプラントの設置がしやすい骨ではないですし、ここは下の前歯であり隣の歯とのスペースから考えて、2本のインプラントの埋入は不可能(に近い)です。
そのため、患者さまもなるべく抜歯はしたくない、術者側としても保存しておきたい、両者のゴールが一致したのでなんとか保存的な根管治療をしてみましょうということになりました。もし根管治療をしても芳しくなかったら、根管治療で回復可能なところまで骨を回復させ、それから抜歯した方が、たとえブリッジで治療することになったとしても、歯肉がガクッと落ち込むことも避けられますからいいのではないかと考えました。
なんとなく根の周囲の骨が回復しているように見えませんか?そして、根管充填したところです。
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流動性を持った「ウルトラフィル」がオーバーフローしないということは、根尖部分の歯周組織は治癒していると考えられます。このころには歯の揺れも止まりました。ただ、根管治療のやり直しのケースですし、残存歯質が薄いため予知性が低く歯が折れたり、割れたりする可能性があるため注意深く経過観察をすべきと患者さまには話しました。そろそろメインテナンスに来てくださ~い、お願いねMさん。
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2008年07月13日:根管充填できナーイツ
こんにちは。ふざけたタイトルでまことにすいまめ~ん(笑)。
どんなにまじめに根管治療をやってもどうしてもうまくいかないケースがあります。今回はそれについて報告させていただこうかと思います。
再治療ではあったのですが隣の歯が抜歯になってしまったため、この歯がキーになるためどうしても保存をしたかったわけです。まず初診時のレントゲン写真です。
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白く写る金属が入っている2本のうちの右側の歯は根尖病巣は治りそうですが、歯根が短くカリエスも深く保存が不可能でした。左側の歯はなんとか根管治療をさせてもらって保存することを第一に考えてみました。通常行なうように根管内の異物(金属や根管充填材)を除去して、水酸化カルシウムを入れて様子を見ることにしました。この時点でも根尖の形が気になります。
1ヶ月後のレントゲン写真です。あまり変化がないですね。根の先にあふれているのが水酸化カルシウムです。
これが4ヶ月後のレントゲン写真です。・・・・・変化がない・・・・。
これが7ヶ月後のレントゲン写真です。ここまで根管治療をさせていただいて芳しくないことを患者さまにお伝えして、『保存してブリッジの土台とするには、予知性がない』ことを良く考えて、抜歯を検討してもらうことにしました。ただこれまでのがんばりもありますし、即決はやはりできないと思われたので、一回冷静になるために時間を空けてから再度コンサルテーションをしようと思っています。
こういう場合は根尖部分の根の外側にまで炎症が波及していて、そのバイオフィルムを解決できないためではないか、と以前講習会で聞いたことがありますが、まさにそういう状態なのではないかと考えます。つまり「歯根端切除術」の適応か、もしくは抜歯かで対応せざるを得ないと思います。ただし、「歯根端切除術」で保存を試みる場合は歯根の長さが短くなるため、ブリッジの支台としては不適格となります。したがって欠損部分はインプラントで対応することになります。抜歯をする場合も2本インプラントを設置するか、もっと設計の大きなブリッジ(僕はあまりオススメしませんけど)にするか、ですね。歯科オタクのみなさんはどのような選択をされますか?
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2008年07月12日:根管充填9
こんにちは。このブログを書いているちょっと前にある患者さまに歯石除去のため麻酔をしてきたんです。もう10回くらいは通院されていて麻酔なしで取れる「歯肉縁上の歯石除去」は終わったんですが、「歯肉縁下の歯石」があとわずかに残っている、そんな状況です。しかし、いつ来ても前回お掃除した部分に汚れが着き、食べ残しすら着いている、タバコの歯周病に対する害についてもお話ししたけれども禁煙されていれる様子もない。残念ですけど、病気は我々(クリニックスタッフ)が治すもの、患者は病院に通っていれば治る、そう思われているのならば間違いですよ。治りませんね、それじゃ。何が悪いのか、どうすればいいのか、それをお伝えして治すお手伝いをする、それが我々の仕事ですから、患者さまが本気になってくれなくてはどうにもならないんです。グチです、すみません。
では、根管充填9回目ですが、もうほとんど僕が考える根管治療及び根管充填についてはお伝えしてきたと思います。これからは、症例ごとのレントゲン写真を見ながらそれぞれの問題点、今の僕ならこうする、みたいなことを書いていきます。ここまでの根管治療・根管充填についてお読みの方は、歯科医師なみの知識があるのではというくらい「根管治療オタク」になっていますから、ご自分の通われているクリニックで自分がどういう治療を受けていたのか、今後はどういう治療を受けたいのか、もうはっきりわかりますよね?ただ『治らないものは治らない』ということがあることもしっかり理解してくいださい。神様が作ったものを人間が修復するのですよ、敵うわけがないじゃないですか。
これは単根管のケースです。根管内が緊密に封鎖されています。いいですね。今日もグッジョブです。
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2008年07月11日:根管充填8
こんにちは。心配された(自分だけだな・・・)足の腫れもなく、診療室の靴もちゃんと入りました。良かったです。
今日もまたまた、根管充填シリーズ。今日で8回目を迎えますが太い根管ていうのは意外とそれだけでやっかいだったりします。清掃しにくく神経の残骸がいつまでも取れにくかったり、根管充填時に圧をかけにくかったりします。しかし、当院では繰り返し伝えしている正しい根管治療を行なえば、専門医の先生には劣ると思いますがなかなかいい結果をだすことができると思います。
このレントゲンの患者さまはたしか10代の男性であり、もちろん歯髄の保存が望まれるのですが、そうもいかず抜髄をさせていただいて根管治療を行なったケースです。やはり生えてからまだ時間が経っていない永久歯なので、根管が非常に太いことがこのレントゲン写真からもわかりますね。当院でのスタンダードな治療を進め、根管充填も終わりましたが、真中の太い根管の根尖(根の先の部分)に圧がしっかりかかり、わずかなオーバーフロー(ほんの少しだけ根尖から出ています)が認められ根尖が完全にシールされているのがわかります。
こうなっていれば安心です。ただし若い患者さまの場合当然根管治療をした歯を長くこれから使っていくわけなので、慎重に経過観察をしていきたいと思います。
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2008年07月10日:根管充填7
こんにちは。このブログを書いている今日は実は例の「お稽古」の日なんですが、みんなK1を見ており熱い、熱い!!!いやー、楽しかったですね。こういう時は冷静にカウンター狙いで・・・なんて無理無理(笑)。血が濃いんだから。打たれたら倍返しでしょう。ねえ、仁君。
今日も根管充填のレントゲンを見ていきましょう。もうええっちゅう感じですか?根管治療にご興味のない方は無視していいですよー。これは左下6の根管治療を行なったケースの根管充填後のレントゲンです。
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まあ、普通に根管充填が終わったところですね。今日はその先の「支台築造」について話していきます。このレントゲンの患者さまは治療が若干後手に回ってしまいましたので、歯質の切削量が多いですよね。まあ、これはカリエス(虫歯)を取り残してはいけないですから、やむを得ないわけですが、そんな中でなるべく歯質を切削しないで根管治療を行なうことに大きな意味があります。
それは根管治療が終了して歯を作るにあたって、その後の歯の強度の確保をするためには歯質が厚い方がとても有利ですよね。だから根管治療には、なるべく視野も確保したい、でもその後の強度の確保もしなければならないというジレンマがあるわけです。ちょっとしか削らなくて神経の取り残しがあっては本末転倒ですし、かといって完全な根管治療ができていても強度がなくては、それもまたダメです。
なるべく歯質を確保して根管治療を終えて、歯の補強として「ファイバーコア」を用いて歯質の強化をします。ここでメタルを根管内に入れるのは自分の歯だったら御免蒙ります(ごめんこうむります)。なぜか?金属は腐食しますし接着剤が溶けていずれ脱落します。多少の動揺が生じたところで、硬いものでも噛んでしまったらアウト!ですよね。歯が壊れます。ファーバーコアを歯に接着して強度の確保をしてほしいです。できれば唾液の混入を避けてラバーダムもして、ですね。そこまで、根管充填から支台築造までラバーダムをかけっぱなしにして行なえば、コロナルリーケージ(唾液の漏えいによる感染)のリスクは最小限にできますね。ただ材料によってはそれもできない場合がありますし、国が考える「支台築造」は必ずメタルを含みます!つまり保険治療では自動的になんらかのメタルが入ってしまうのです。だから、根管治療が終わったら「土台はファーバーコアとメタルがあって・・・・」とお話させていただくのですが、「予診表に保険でって書いたでしょ?なんで自費を薦めるの?」って言われることが多いです。でもね、って言いたいですけど、人の受け取り方はいろいろで、必ずしも好意的には受け取られないんですね。でも本当にいいモノは知ってほしいですし、これからも心が折れない限り(笑)、皆様にお伝えしていきたいと思います。
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2008年07月08日:根管充填6
こんにちは。歯に起こる不都合ですが、なんであれ原因をたどると意外と単純なんです。①細菌の感染 ②咬合力 ③その両方 これだけなんです。
虫歯とか歯周病は典型的な①による病態ですね。歯の表面に虫歯の原因菌が付着して進行したものが虫歯です。歯と歯肉の境目に歯周病菌が感染して骨の破壊が進行したものが歯周病です。
②によるものってなかなか自覚しにくいかもしれませんね。歯ぎしりによる歯の擦り減り、歯のひび割れ、詰め物が取れやすい、などがあります。③はきびしいですね、これらが合わさって起こるわけですから治療が非常に困難になってきます。
今回は根管治療がテーマですから、力の関わりについては別の機会にお話しします。じゃ、この前振りはなんだったのか?そうです、まずはこのレントゲン写真を見てください。
実はまだ根管治療の途中でのレントゲン写真ですが、水酸化カルシウムを入れて仮コア(歯を傷めないレジンコア)を入れて、プロビジョナル・レストレーション(仮歯)が入っています。
初診時の患者さまの主訴は噛んだ時の違和感でした。まず歯周病の有無の確認からと考え、歯周ポケットの審査から行ないました。初診時にはポケットは存在しませんでしたが、このレントゲン写真を撮る頃にはこのようになっており、今思えば初診時から歯にヒビが存在し、そこに感染が起こって歯周ポケットになっていったのではないかと考えています。
通常通りラバーダムをして根管治療を行っています。根の先の病巣は水酸化カルシウムがオーバーフローしていないことから、このレントゲンを撮った時点で問題ないと思われました。しかし周囲を探ると限局した歯周ポケットが存在するのです。そこに「ガッタパーチャ・ポイント」という根管充填で用いる材料を歯周ポットの中に入れて(すでに隙間が空いているから痛みはありません)レントゲンを撮ると、「ガッタパーチャ・ポイント」が根の分岐部あたりまで入っていくのが確認できました。
何が言いたいのかですが、歯がダメになる原因はとても複雑であると言うことです。この歯のトラブルを今振り返ってみると①咬合力によって失活歯(神経がなく呼吸していない歯)にヒビが入って違和感があった②根管治療を行なうも病態としてはヒビを伝って感染が広がり歯周ポケットを作ってしまった(これはもうすでに防げない状態です)③根尖に病巣はないが、ヒビ周囲には感染が残っている。このような順序で病状が進行したものと考えています。
ただし、現在症状はなく「歯周外科処置」などは受けたくない、抜歯するのも嫌だ、ということでこの状態でプロビジョナル・レストレーションが入って、時々経過観察にいらしていただいているのです。
この患者さまにはお気の毒ですが、「がんばって歯を残すには遅すぎる。早く抜歯をして歯の周囲の組織を守ることを考えるステージにある」ということを、正しく理解していただき抜歯を行なうべきと考えます。そうしないと今後抜歯しっぱなしというわけにはいきませんから、なんらかの形で歯を作らねばなりません。その時インプラントという選択肢を失うことになるかもしれないからです。
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2008年07月07日:根管充填5
こんにちは。根管充填も5回目をむかえました。今日は昨日に続いて特徴的な歯の形態を有するケースとして「側枝(そくし)」のある根管充填を見ていきましょう。
一般には「側枝」は根尖付近の4ミリに多いとされます。側枝とはあくまで枝ですから、直接ファイルなどを入れて治療はできません。通常は薬品を使って内部にあるタンパク質(神経などがそうです)を溶かし除去したり、主根管に超音波洗浄機を入れて刺激で側枝を洗浄します。当院では今現在は超音波による洗浄を行っています。サブソニックと呼ばれる超音波で器具の先端方向には切削の刺激が加わらないため、余計な部分を削ってしまったりすることはありません。使用している
「リスピソニック」は先端部分に刃は付いておりませんので、先端方向を破壊的に切削することは不可能です。なぜ薬品を使用しないかですが、元々体の中にあるものや体に対して害のないものならばいいのですが、もし微量でも残留した場合が心配なことと、薬品の刺激で歯質が弱まること、その後に設置する「ファイバー・コア」との接着性が悪くなる可能性があること、などを考慮してのことです。
時間をかけて根管内の異物を除去して、サブソニックによる「キャビテーション効果」によって洗浄することで側枝の部分も洗浄可能とされています。キャビテーション効果とは物体を水中で高速で動かすと気泡が発生することです。気泡は浮き上がってきますからその効果で汚れを浮き上がらせることができるんです。
根管内の異物がなくなり、乾燥が完全に行なわれるとやっと根管充填が可能になります。私の使用するウルトラフィルは乾燥されていればしっかり根管内を隙間なく満たしてくれます。
このレントゲンの根の先端付近に注目してください。一見すると先端まで薬が入っていないようにも見えますね。しかし、神経の入口が根の先端にあるというのは、ただの思いこみでして先端からズレた位置にあることもたまにあるのです。先端付近に細くウルトラフィル(根管充填剤)が入って行っているのが確認できます。わかりますか?これが側枝ですね。入っているからどう、ということではなく、できる限りの根管治療をさせてもらった結果このようなレントゲンが撮れたという方が感覚的に近くて、実際は治療中に「あっ、側枝!」なんて感覚的にわかることはありませんから。根管治療って難しいですよ。
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2008年07月06日:根管充填4
こんにちは。これまで3回にわたって根管充填についてお話してきました。今日は難症例と言われる歯の形態についてのお話からスタートします。といいますか、根管治療自体が難しい治療であって簡単なことってあまりないんですね。でも列挙するとこんなカンジ、根尖(根の先)付近で枝分かれしている、根尖で分岐がある、様々な影響で根管が狭窄している、再治療の歯すべて、などです。
そういう難症例であってもこちらの装備で「中くらいの難しさ」になります。その一つが「マイクロスコープ」です。5倍~30倍に拡大して歯の内部を観察できます。隠れた根管を見つけたり、折れた器具がある場合それの除去に使用したり、ラジ・・・、いえ(笑)、レッジとかフィンと呼ばれる根管と根管がつながった場所などを超音波で砕いて行く時に使用したり、用途は多岐にわたります。見ながら治療をすることと、こうかなあという思い込みで治療をするのと、やはい結果は違いますよ。持ってるから言うのではなく、絶対に違いますよ、それが科学です。科学と言えばラバーダムもそうです(連日叫んでますね、私)。唾液の混入を防がずして正しい根管治療はありえないんです。細菌が見えますか?ウィルスが見えますか?だから侵入に気付かないんですから、せめてそれが含まれることがわかっている唾液の侵入は防ぎましょう。でもこの国は必要ないと判断しています。なぜでしょう?国が我々歯科医師を信用していないんでしょうね、きっと。
いくらマイクロスコープを使用したとしても治療が困難な歯の特徴的な形態があります。その一つが今日御紹介する「樋状根(といじょうこん)」です。これは下の7番目の歯で時々みます複数の根管がつながった形をしています。簡単に言うと根管は管(くだ)ですが、樋状根の根管は大きな隙間といいますか、狭い空間ではないんです。ということは、そこに入っていた歯の神経(歯髄)を取り残したり、根管充填するにも従来のラテラル根管充填では空隙を残したり、ラジ・・・(しつこい?)完全な形で治療をしにくいのです。
根管充填の連載(?)の中でも書いていますが、根管充填のキモは根尖のシールだということ。これを踏まえて考えると広い空間のある樋状根は「圧」をかけて根管内を封鎖しにくいですよね。
型枠の中に粘度を詰めて動物の形にする遊びを想像してみてください。しっかりと「象さん」の形を作りたければ、粘度をギューっと型枠に詰め込みますよね?それと同じなんです。根管充填もしっかりと圧をかけないと、どっかに隙間ができてしまうんです。それでは細菌の住処を与えることになり、再感染を防げるシールができないことになります。これができるのが「垂直加圧式の根管充填」のメリットなんです。
実際の症例のレントゲン写真です。
すばらしいテクニックをお持ちの根管治療の専門医の先生ならば、従来のラテラル根管充填で充分良い結果を出せるのでしょうけれども、根管治療専門ではない一開業医の私が良い結果を出すにはウルトラフィルによる「垂直加圧式根管充填」は非常にありがたいものです。ここまで封鎖ができるのであれば、難症例のケースであっても今までのような不安が残ることも減ったのは間違いないです。
自分にできることを少しづつお伝えし、患者さまやブログの読者の方の理解を深めるお手伝いができれば幸いです。
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2008年07月05日:根管充填3
こんにちは。さて根管充填の3回目ですが、アホにはなりませんよ(笑)。まじめにやっていきましょー。
さて今日取り上げるケースは「マイクロ・スコープ」を使わなかったからか、1本根っこを見逃しているケースです。術前のレントゲンから見ていきましょう。
これはなんだかねえ、ホントに本気で治療したんですか?と聞きたくなるような状態ですが、症状は強くなかったです。よーく見ると、薄~く根っこの形が見えませんか?あるだろうなと考え、歯の内部を「マイクロ・スコープ」で確認して探していきます。するとやはりあるんですね。4根管目が。ちなみに3根管までは保険で請求できますが、4根管目、5根管目、などは保険で請求できないんです!!!国は何を考えてるのでしょうか・・・。だから4本目なんてあってもやらない、なんてことが起きるかもしれないでしょう。今回のケースは最善を尽くしても見つけられなかったとい考え(でないとやりきれないですよね・・・)、もしかしたら5本目がないかな?というスタンスで探しましたが、この歯は4根管の歯と判断して根の治療を終えました。治療終了後のレントゲン写真です。
どうでしょうか、これならば4本目の根がどこにあったのか、もうお分かりですよね?根の先端まで封鎖する薬が入っており「根尖部分」をシールしていますね。治療の対象となる歯に何本治療すべき神経の管(根管)が存在するのかを、ちゃんと事前に把握して治療を行なうという意味では、CTを撮影するというのも有効かと思います。しかしCTはわかりすぎてしまい、わずかな希望を持って当院にいらした患者さまに引導を渡すことになってしまうこともあります。ただこれは「無駄な治療」をせずに済んで、患者さまと私、ともに良かったとも言えますよね。
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2008年07月04日:根管充填2
こんにちは。当院のサイトをご覧になって来院される患者さまの中に、、正しい根管治療を受けたいということでいらっしゃる方が非常に多いことがわかりました。これは私がサイトを開設した意図とは若干ズレがあるのですが、これは正しい根管治療(もっとちゃんと行なわれていると思ってました・・・)について皆様に正確にお伝えする義務があるのだと考え、これからしばらくは「根管治療特集」と言いますか、集中的に根管治療についての経過報告や、繰り返しになりますが「正しい根管治療に必要なこと」、「国はどう考えているか」、「質を問わない患者さま中心ではない医療」などなど、歯科医療に従事して13年目になりますわたしがわかることについてお話していきます。
従来使用されてきた「ファイル、リーマー(使ったことないな・・・)」ですがステンレス製のものが主流だったと思います。これは硬いですから切削能率はいいのでしょうが、材質の特性上「まっすぐに」なろうとします。ということはですよ、曲った根に対して使用したらどうなると思いますか?曲った根っこの中をまっすぐにしたがる、これはわかりますよね。そうすると本来の根の先端にある穴が、元あった場所から根の治療を進めれば進めるほど、ズレていきますよね?これは根の先端(根尖といいます)を壊すことになります。こうなってしまったもののリペアは正直できないです。ですから「一番最初にその歯の根の治療をする先生の責任は重い」のです。それもあって当院では「再治療になる根管治療」は基本的に自費治療はお断りしているのです。責任の所在がはっきりしないからです。治療の結果が伴いにくいからです。
では、根の先端がズレてしまわないように治療はできないのか?そんなこともありません。「曲った根管に追従する」フレキシブルな「ニッケル・チタンファイル(以下NTファイル)」を用いて、無理な力を加えず根管治療を行なえば確実な結果が得られるのです。NTファイルをうまく使用すれば根の先端の位置を変えることなく曲った根管を曲った状態のまま拡大ができます。では拡大が終わり「根管充填」まで終わった状態のレントゲンを見てみましょう。
まあ、これは一根管ですから比較的イージーなケースですが、もし力でグリグリと硬いステンレス(ステンレスでも柔らかいものもあります)のリーマーなどで根管治療を行なった場合、湾曲していた形態に追従することなく「怖い何か」が起こりそうですね。もちろんどんな場所であれラバーダムはすべきですね。
これは一つのデータですが「日本歯内療法学会」に所属する(私は所属すらしていませんが)歯内療法(根管治療)専門医のうち必ずラバーダムをする先生がどのくらいいらっしゃるのか?なんと25%!ですって。それに加えて50%の先生がしないと答えたそうです!!!こっちの方が問題大きくありません??あなたたち専門医でしょう???それでいいのかと私は思いますが、患者さまの立場からはどうお感じになりますか?
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2008年07月03日:根管充填
こんにちは。昨日、一昨日とキャンセルで暇な時間ができたため、急遽スタッフを集めて勉強会を行ないました。できた時間はなるべく無駄にしないように、スタッフ教育に充てさせていただきました。とは言っても若い子たちですから、患者さまにおかれましては、不慣れな言葉使いで不快な気持にさせてしまったこともあるでしょう、悪気のないちょっとした言葉の間違いが気になるという方もいらっしゃるでしょう。申し訳ございません、私もなにぶん若輩者でございますので、皆様の御指導、御鞭撻をいただければ、幸いかと存じます。ちょっと硬いスタートですが、「昨日の自分を否定することから明日への進歩の道が開ける」と思います。昨日の自分に満足せず、さらなる進化を遂げる意味でも冷静に自分のポジションを見つめていきたいと思います。
さて、タイトルの「根管充填」ですが、これは「根管治療」が感染している「歯の中の掃除」だったとすれば、そこに2度と感染が起こらないようにシール(封鎖)することです。根の先に膿(うみ)ができていて・・・とか、根の先端に当たる場所が押すと痛い、歯ぐきの付け根が繰り返し腫れる、などなどこれらは「根の治療後の再感染」の可能性があります。これはこのブログでも再三指摘させてもらっている「ラバーダム」の必要があったり(しかし国はラバーダムを保険から外しました!!!)
、「マイクロスコープ」による完全な見落としのない治療がされていなかったり(マイクロスコープも当然国は保険適応するつもりはないでしょうね・・・)、完全な封鎖が得られるような根管充填ではなかったり、いろいろ理由はあるでしょう。
当院で採用している「根管充填」の方法は、「ウルトラフィル」という「垂直加圧式根管充填」です。なんでも垂直加圧式ならいいのかというと、そんな単純なものではないのですが、正しい根管の洗浄ができた上で、しかも正しいタイミングで根管充填できれば、かなり良い結果が得られると考えられます。私は吉川宏一先生、青井良太先生のコースを受講してこの考え(クインテッセンスという歯科雑誌に今連載されています)を学び、実践させていただいていますが、良い事の方がはるかに多かったと思います。
湾曲している根の中でも「ニッケルチタンファイル」を用いて拡大すれば、途中までしかいじってない状態にもならず、本来の「根の先端」以外の場所に穴を開けてしまう(パーフォレーションと言います)ことなどはありません。そして、根の外側にダメージがある場合でも「水酸化カルシウム」を用いてそのダメージが治癒する(数か月かかることも多いです)まで根気よく待ってあげて、それから根管充填を行なえば確実な根尖(根の先の神経が入ってきていた入り口)の封鎖が可能です。レントゲンでしかお見せできませんが、このようになるのが理想的かと思われます。
しっかり圧をかけて根尖(根の先端部分)を隙間なく封鎖すること、これが「根管充填」の一番のキモではないかと考えます。封鎖ができていれば根の先に細菌が侵入する経路がないはずですから、膿ができることはないですよね。それでも感染しているとすれば「ラバーダム」できないか、していないなどで唾液などが混入していることに気付かなかった。または感染の除去が不完全だったか。医療行為にはなかなか「100%」ということはないです。私も100%と思って治療を行っていても、今後何年かしたら結果の良くない症例がきっと出てくることもあるかもしれません。ですが、今考えられる100%を行なわなければ、明日の進歩している歯科における100%には到底到達できるはずがないと思います。今できることを確実にやっていきましょう。国は責任取ってくれますか?国民に負担を押し付けるだけではありませんか?自分の体は自分の責任で守るしかないのではないでしょうか。
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2008年06月16日:歯根端切除術
こんにちは。6月14日、15日で「顎咬合学会」の学術大会が東京国際フォーラムで行われており参加を考えたのですが、先週の「新潟再生歯学研究会」のセミナーと2週続けて土曜日のお休みをいただくのは非常に申し訳ないので、参加は見送りにしました。去年はUCLAからの衛星中継でDr、Moyのライブオペがあったのですが、オペ後に患者さまとシャンパンで乾杯して終わりました。近くにいた若い先生たちから「欧米か!」と多数突っ込みがありましたが、そうなんです、彼らは欧米人、そういう演出が好きなんですね。タイミングが合えば来年は参加しようと思います。
今日のタイトルにある「歯根端切除術」ですが、根管治療(通常の根の治療)が出来ないか、しても効果が出ない場合や、補綴物(被せ物)が頑丈に入っていて外すことで歯を傷める可能性が高い場合などに選択します。と言っても良いことばかりではなく、外科的な侵襲が加わること、その歯の骨に埋まっている部分の体積が小さくなること、確実な滅菌操作ができないと結果が伴わない、などのマイナス要素も考えて総合的にすべきかどうか考えて、デメリットを上回るメリットがあると思われる場合にのみ行なう必要がありますね。
実際の症例を見ていきましょう。ただし、外科処置の写真を含みますので、痛々しい写真がお嫌いな方は見ない方が良いかもしれませんね。あくまで、これを見ていただいている歯科治療を熱心に理解したいと言う方の参考のために掲載させていただいております。どうかご理解ください。
まずは術前の状態です。右上34番目の歯が対象です。
以前ブログで説明させてもらった「フェルール」が確保できない状態なので、「歯根端切除術」と「アピカリー・ポジションド・フラップ(以下APF)」の合わせ技でオペを行ないました。このAPFは歯肉を2枚に下ろす(表現が適切ではないかもしれませんが・・・)ため、歯肉を破いてしまいやすく難易度は高いです。
病巣を取り除いてみると歯の遠心(奥歯側)に病巣があったこと、根の長さが充分にあり「適応症」であるということ、などがわかると思います。
感染が強い根の先端数ミリを切除した。この後超音波の器具を用いて機械的に拡大、洗浄をした。一般に根の先端4ミリは枝分かれが多いと言われ、予後不良で「歯根端切除術」を行なう場合は、これを意識して先端は少なくとも4ミリはカットします。
その後「MTA」を用いて根尖を封鎖します。これは井澤常泰先生の「マイクロスコープを用いた根管治療のコース」で習得しました。
余ったスペースに吸収性のコラーゲンを入れて傷を閉じます。ちなみに切り取った根の先です。
43両方とも「クラウンレングス二ング」を行ない、骨膜にフラップを固定したところです。余計に覆いすぎているためこの後、若干のトリミングをしました。以上のような治療を歯根端切除術といいます。これも抜歯を回避して少しでもご自分の歯で噛んでいただくための「保存的な」治療です。質問はメールでどうぞ。





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