トップへ » 院長紹介・経歴 » 過去の記事一覧 » 義歯・入れ歯
義歯とは
歯を失った場合の機能回復の1方法です。オーソドックスな治療法ですが材料の進歩、咬合に関する理解が深まったこと、技工士側のテクニックの向上などにより、かなり良い結果がもたらされます。部分床義歯、総義歯に分けて考えます。
総義歯
お口の中に1本も歯が残ってない方の義歯を言います。上の総義歯の吸着の原理は例えるなら、ガラスの板の上を水で濡らしその上にもう一枚ガラスの板を置くと垂直方向には取れないと思います。それと一緒で総義歯も吸着するのですが、お口の中はいろいろな動きがあります。動く部分には干渉せず動かない部分で吸着させるのが良い義歯でしょう。
下の総義歯は義歯作りの難関、超難関です。下は舌があるので上のような吸着の原理は成り立ちません。舌と頬粘膜に支えられ動かない義歯が良い義歯でしょう。
部分床義歯
分類としては1本でも歯が残っている方の義歯を言います。それらの残った歯にクラスプという装置で固定しますが、クラスプを設置する歯にはクラスプが収まるくぼみを作る必要があります。
理想的な義歯製作の流れ
総義歯製作の流れ
お口の中の審査をさせていただき、骨隆起の有無、粘膜の異常がないか確認し、もし問題があれば外科的な処置を前処置として行ないます。問題がなければ次の段階へ進みます。
続いて、まずおおざっぱな、大体の型取りをします。それを基に個人トレーというオーダーメイドの型取り用の器を作り、それとシリコンを用いて精密な型取りをします。模型を作り顎関節から上顎までの距離の計測をして、垂直的な噛み合わせを決め、水平的な位置を決めます。
顎のポジションが決まったら、その位置で仮に歯を並べてきます。動かした状態での噛み合わせをチェック、唇に触れる接触感覚の確認、しゃべりにくくないか確認、義歯床(入れ歯のピンクの部分)の厚みの確認、などをしてもらい問題がなければ仕上げへ。仕上げの義歯が出来てきたらそれまで使用していた義歯の圧痕(入れ歯の痕)を取ってから合わせます。噛み合わせの最終確認をしてもらい調整してお渡しする。使ってみて違和感や痛みがあれば調整いたします。
部分床義歯製作の流れ
総義歯に準じた進め方になりますが、クラスプを設定する歯にはレスト座というくぼみを作ります。あとはほぼ同じです。
特殊な義歯
ピンク色の床の部分をメタルで作り薄く舌の接触感覚の良い金属床義歯。部分床義歯で残った歯を連結して、例えるなら茶筒とその蓋みたいな感覚で固定できるパーシャルパラレルミリングという義歯もありますがこれは非常に安定がよいです。クラスプレス・デンチャーというある程度の弾性を持った材質でできた義歯。などがあります。
義歯・噛み合わせ・顎関節等に関する学会
日本臨床歯科補綴学会所属、日本顎咬合学会所属。